【動画あり】天然アユの未来を学生たちが守る!若狭・南川での挑戦 〜学びと地域が一体となる川の再生プロジェクト〜
目次
ToggleYouTube動画
南川の再生プロジェクト
美しい山間を流れる福井県若狭、南川は、天然アユの遡上する川として、再生の道をたどり始めました。若狭河川漁業協同組合と福井県立大学の教授や学生たちが一体となり、川底を耕し、天然資源を守る活動が進行中です。
このプロジェクトは、天然アユの遡上(川を遡って産卵に戻ること)を増やすことを目指した取り組みで、「地域の未来」と「自然環境」を次世代につなげるという二つの使命のもとで活動が展開されています。
地域の資源を守ると同時に、次世代を担う学生たちが実践的に環境を学び、地域と共に未来をつくり上げる取り組みとなっています。
天然アユの再生への挑戦
若狭河川漁業協同組合は、かつて琵琶湖から移入したアユを放流していました。しかし、資源循環や地域生態系への影響を考え、「天然アユを守り、増やそう」と決断し、4年前から琵琶湖産アユの放流を中止しました。この決断とともに始めた活動が、南川の産卵場を整備して天然アユの産卵を増やすことでした。
川底の小石がアユの産卵には最適であるため、漁協の組合員は毎年産卵場の整備を実施し、またカワウなどの捕食者から産卵アユを守るための対策として、川のテグス(糸)張りも施しています。この努力により、天然アユの遡上数は増加傾向にあり、かつての豊かな川が戻りつつあります。
大学と高校生による「川を耕す」実践
プロジェクトの実施には福井県立大学の教授や学生、地元の若狭高校の生徒たちが積極的に参加しています。学生たちは川の環境を学びつつ、実際に川底をクワで耕し、アユの産卵場所を作る作業を行いました。
この「川を耕す」作業は、硬化した川底をほぐし、アユが産卵しやすい環境を整える重要なステップであり、田原教授は「自然環境が整わないとアユが産卵しにくく、卵が流されやすくなる」と、川の生態系を守るための知識を熱心に教えています。
福井県立大学の学生である久保さんと川畑さんは「川での実地学習は自分の専攻である河川環境と漁業の理解を深める貴重な機会です」と語り、実践的な経験が将来の学びへの意欲を高めていることを明かしました。一方、若狭高校の生徒も「地元の自然を守ることの大切さを実感できた」と地元愛を育み、地域資源への関心が深まった様子です。
味覚で体感する、天然アユの美味しさ
学生たちは作業後、焼きたての天然アユに舌鼓を打ちました。「川で苦労した分、美味しさも格別」と笑顔を見せ、「ホクホクで脂ののった天然アユは最高だった」と、自然が育んだ川魚の味に感動していました。また、若狭高校の生徒たちも「地元でこんなに美味しいアユが取れるとは」と、地元の魅力を再発見しました。
地域社会の支援と観光の未来
若狭河川漁業協同組合の原田組合長は「南川の環境を守ることが、地域の豊かな自然を支える」と話し、地域住民や組合員たちが一丸となって天然アユの保全に取り組んでいる様子を強調しました。
この活動は、将来的な観光資源としての可能性も広がっており、アユ釣り観光を組み込んだ新たな地域活性化の構想も進行中です。地元旅館との連携により、川と自然を楽しむ体験型の観光プランを提供し、地域外からの観光客も巻き込んだ新しい「アユの町」づくりが検討されています。
また、学生たちの冗談で「来年は乃木坂46のライブと被らなければまた参加したい」と笑顔がこぼれ、楽しみながら地域に貢献する姿が印象的でした。こうした学生の意欲は、地域の自然を守る力となり、地域社会に新たなエネルギーを吹き込んでいます。
未来を守るための一歩
若狭・南川で進められる天然アユの保全活動は、地域の未来と自然環境を次世代へつなげる重要な取り組みです。学生たちの学びと地元の誇りが交わるこのプロジェクトが、若狭の自然環境を未来へとつなげ、地域全体に感動を与え続ける一歩となるでしょう。
NEW PARTNERSHIP新提携
ご利用いただける河川が増えました!