夏の日のエピローグ:秘湯と役内イワナ(3日目)

2019/10/18

夏果の役内川(3日目)

夏果(なつはて)は夏の終わりを表す季語です。果てる、終る、の語には物悲しい思いがつきまとい、 帰省や避暑などが終わり、去り行く夏が惜しまれる場合に使われます。この日は8月31日、夏の風物詩である花火大会も終わり、役内川は一層秋の装いを始めました。

奥山の秘湯

大曲花火が終わり、その足で湯ノ沢温泉日勝館に宿泊しました。院内川が近くに流れる人里から遠く離れた秘湯の館です。

秘湯といわれる所以は様々ですが、わかりやすく伝えますとスマホ・携帯の電波が一切届かず、またもテレビも映らない電波不感の場所です。今ではこういう場所を探すことも困難な時代になりました。

お湯は、当然源泉掛け流しのアルカリ性で、感覚的には柔らかいお湯です。湯足の指先まですきとおるくらい美しく、感覚的には柔らかい湯を檜風呂で味わいます。

帰りがけに一投

楽しい時間はあっという間に過ぎ、翌日は朝から釣りもせずただ帰るのみでした。以前に良い釣りが出来た場所というのは、記憶に鮮明に残っています。そんな忘れられない記憶が呼び覚まされ、3時間だけ、いや2時間だけでも、と頭の中では、帰りの計画をリスケジュールしていました。そんな川が、役内川の支流の薄久内川です。

以前5月に行った際は、川の対岸には雪の塊があり、川の水位も高い状態でした。季節も変わり、当然様相も変化はしているものの、ジブリ映画に出て来そうな幻想的な自然と水澄み渡る川は以前のままでした。今は、紅葉の種子を眺めながら釣りを楽しみます。

苔むす石と清冽な流れの中のイワナを求めて、その先へ先へと登っていくのは釣り人の性分です。イワナはよく、ヤマメと対比して男性的に表現されることもありますが、しっとりした美人なイワナです。絶景とイワナ達に心癒されました。

冬虫夏草

竿をしまい、川から杣道(そまみち:山仕事用に築いた道)に戻ろうすると山釣りNPOの後藤さんより、これ知ってる?。渓流の不思議「冬虫夏草」です。

虫に寄生したキノコの総称で、正式名はカメムシタケです。

山と川の恵み 山菜ソバ

旅のベース地「イワナの里」で帰り仕度をしていると、ご好意により山ソバを頂きました。山菜やキノコなど秋田の山の恵みをふんだんに盛り込んだソバです。

水澄む役内川

秋田県役内川に滞在した3日間でしたが、微かですが秋の雰囲気を感じ始めました。「水澄む」という秋の季語がありますが、夏に比べて空気が爽やかに澄み渡るため、水の流れも清澄となることを表しています。役内川は澄み渡っています。役内川にもいよいよ秋がやってくるようです。今回の旅を通じて、人々が自然と共生してくことの理由を知ることができました。都市部では季節変化の機微になかなか気づきにくいですが、ここでは自分が立っているところ360°が自然です。ありとあらゆる草木、生き物、つまり森羅万象が季節に合わせて変化します。それにより、人々は自然の動きに気づき、そして自然の変化に合わせて生きていくのだと思います。

ここ役内川は、それが実感できる場所です。あらためて、人と川との関係を見つめ直させてくれ、各々が共生できる関係を築くには、どうしたら良いか模索していきたいと思います。

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