人はなぜ「釣り」をするの?釣りバカ解体新書【書籍紹介】

2020/12/02

人はなぜ「釣り」をするの?釣りバカ解体新書【書籍紹介】

「釣りの本」ではない

「釣りバカ解体新書」書影

今回は「釣りバカ解体新書 人生100年時代のライフワーク(清水健太郎著)」を取り上げます。

これまでの書籍紹介コーナーでは、川釣りに関する本を主に取り上げてきました。今回は釣りのテクニックなどの本ではなく、「ライフワークとしての釣り」をテーマにした本です。

ライフワークとしての釣り

本記事のライターは釣りをしませんが、これまで多くの川と釣り場で釣り人に会ってきました。
釣り人は解禁日ともなれば、前日の夜から釣り場に泊りがけで釣りができるのを今か今かと待ち望み、釣り大会では少しでも多くの釣果を狙って有利な場所を確保しようと必死になって取り組みます。
そんな釣り人が釣りを語るときの真剣さは「趣味」「レジャー」で一括には出来ないものです。

この本の著者も釣り人で「釣りバカ」を自認していますが、この本ではそんな「釣りバカ」の熱い思いを語るのではなく、少し引いて客観的に「釣りバカ」とはなんだろう。釣り人は「釣り」の何に熱中しているのか、ともすれば限られた人生のうち多くの時間を「釣り」のために使う釣り人。それほどまでに「釣り」にかけるエネルギーの核、その謎の解体を試みたのが本書である。

釣りバカから学べ

本記事のライターはこれまで釣りの現場に何度も身を置いて取材をしていますが、取材の傍ら「釣り」をしたいと思ったことがありませんでした。
取材の中、「やってみるか」と釣り体験をさせてもらった時でも、道具を揃え休日を使ってもう一度やりたいと思ったことはりませんでした。
「釣りバカ」ならカメラ、パソコンよりも、釣り竿を握っていたいでしょう。
これまで何度か取材して、釣り人が「釣り」に対し熱く語り、夢中になれるのかがわかりませんでした。

「好き」になるのも才能。きっかけが何度与えられても「好き」にならないものはならないと考えていたのですが、この本の内容はそんな釣りしない私でも、もう一度「釣り」に触れてみようかと思わせるものがありました。
釣り人が快く釣りをするために「釣りバカ」仲間を増やさんとする壮大な思想書じゃないかと邪推もしますが、そういった情熱を暑苦しく感じさせずスマートに述べられています。

本書ではフライフィッシャー兼コンサルタントの著者と「ANA」、「JT」、「Snow Peak」といった国内の有名企業の代表者が、なぜ「釣り」が好きなのか、「釣り」の何に夢中になっているのか教えてくれます。
「釣り」をライフワークとして捉えることで、人生と切り離せない仕事についてのヒントが得られます。
「釣りバカ」を仕事に応用すれば大きな成果が上げられるかも?

ちなみに、本書で取り上げられているANAの「アバターフィッシィング」は2019年の国内最大のIT見本市CEATEC(シーテック)に出展されており、本マガジンでも記事にしています。本書と合わせて御覧ください。

家の中でも魚が釣れる?CEATECレポート(2019/10/26)

未来は釣りバカが拓く

昨今のコロナ禍のこともあり「不確実性の時代」と言われます。「地下鉄サリン事件」「阪神淡路大震災」「911同時多発テロ」「リーマンショック」「東日本大震災」など何かショックなニュースがあるたびに使い古されているので「不確実性の時代」を越えてゆくたびに「確実」に現在は「不確実性の時代」であるといえます。

本書ではその「不確実を楽しむこと」こそが「釣り」の本質であるとし、その面白さは「妄想の実現」にあるとする。そしてそれを嗜むことがミライのリーダーに必要な「ライフワーク」だと言っています。
そのメッセージは家族やパートナーにもなかなか理解されないこともある「釣り人」を大いに勇気づけてくれもします。

著者は巻末で川と子供のミライのためのアイデアや提言をしています。
内容は読んでのお楽しみということで、本書は釣り人はもとより、釣り人の家族、パートナー。川と子供のミライを憂う方、ミライのリーダーに成る方に読むことをお勧めします。

書籍詳細

『釣りバカ解体新書 みんなが知らない釣りとビジネスの意外な関係 人生100年時代のライフワーク』つり人社  2020年 1,500円(税抜)
著者:清水健太郎 1969年生まれ。フライフィッシャー兼コンサルタント。 

フィッシュパスは川を囲んで、釣り人漁協地域社会を結び、豊かさと賑わいを提供します。

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