発眼卵放流のすすめ〜奥越漁協〜

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2020年11月23日 奥越の九頭竜川と石徹白川の支流にてヤマメの発眼卵放流が行われました。

発眼卵放流とは

眼ができた状態の卵(発眼卵)を川底の礫(れき:小石)の代わりにオリジナルのバイバートボックスの中でふ化するのを待ちます。

メリット
①稚魚・成魚放流に比べて費用が安い
②低温で保湿すれば輸送可能
③より自然に近い魚を増やせる

放流する川の条件
①水位変動の少ない湧水の多い川に放流
②大きな魚がいない支流に放流
③隠れ場と餌が多い場所に放流

注意点
①放流履歴のある川に放流
②同じ魚種が生息している川に放流
③貴重な天然魚との交雑を防ぐ
放流

クワで川底を掘ってくぼみを作ります。

ふ化したヤマメの隠れ場として礫(小石)を敷きつめます。

容器の周りにもまんべんなく小石を置きます。

周辺環境が整ったら、発眼卵を容器を入れます。

縦30cm×横40cm×深さ30cmの容器に6,000粒を入れ、

増水などで流されないように固定します。
バイバートボックスとは

発眼卵がふ化するまでの間育てる容器で、箱の底が4mm間隔の網状になっており、稚魚になって「さいのう」が無くなるとスリットを通り抜け、まるごと自然の川へと巣立って行きます。上の写真は奥越漁協さんが作ったオリジナルボックスです。


さいのうが無くなった稚魚が、網目を通り抜けていきます。
ふ化

放流して20日後にふ化します。

さいのう(お腹の膨らみ)が無くなるまで底でじっとしていて、

1月中旬頃には容器から出て活発に動き出します。

3月頃には2〜3cmの稚魚に成長します。
最後に
今、福井県奥越地区は雪が降り、一面銀世界となっています。先日放流したヤマメの卵が、ちょうど今頃ふ化し始めている頃です。多くがまだ箱の中でジッとしていると思います。年を越し箱から出て、100%自然の中を生きていきます。春、暖かくなり、川を元気よく泳ぎ回ります。しかし、そこではさまざまな外敵をかわしながら生きていかなければなりません。あるヤマメはその場に残り、渇水やエサ不足と戦いながら生きていきます。もう一方のヤマメは、九頭竜川を降り、海に出て北方沿岸まで泳ぎます。小さい5mmほどの粒が、これから待ち受ける途方もない試練と困難を乗り越え、生き続けてくれることを切に願います。
今回の発眼卵放流に、小学生の子供含め10名の有志が手伝ってくれました。こらからも奥越漁協は、増殖、環境保全のために、地道な活動を行っていきますので、応援と協力をお願いします。

フィッシュパスは川を囲んで、釣り人と漁協と地域社会を結び、豊かさと賑わいを提供します。



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