九頭竜川サクラマスを育ててます(中藤小学校 総合学習)
目次
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福井市の中藤小学校で九頭竜川のサクラマス稚魚を飼育しています。
はじまり
1月12日、遡上してきた天然サクラマスの受精卵(F1)から育てた発眼卵がこの小学校に運ばれて来ました。
九頭竜川中部漁業協同組合・福井県内水面総合センター・サクラマスレストレーションが今回の学習・展示・飼育を企画運営しています。
サクラマス稚魚の育て方と子供達による観察記録です。現在、小学3年生の総合学習時間で九頭竜サクラマスの学習を行い、飼育管理しています。ちなみに、サクラマスは受精卵からの積算温度は約450℃です。この小学校に来た日までの積算温度は329℃です。小学3年生があと何℃でふ化しするか毎日計算しながらカウントダウンを行っているようです。
音や光に敏感な性格から、振動や光の制限も行って展示しています。特製の手作り遮光箱に、子供達が廊下を走る振動が影響しないような工夫が施されています。
サクラマスの仔魚
二重水槽(水槽の中に虫かご)にしているのは、ボンベからの水流抑制で、敏感な個体への影響を少しでも減らすためです。
1月24日に孵化して16日後の仔魚。今回の撮影にあたり特別に5分間だけ箱を開けさせて頂きました。
成長の記録。
サクラマスと子供達
休憩時間になると、子供達がどんどん集まってきます。地元に帰ってきたサクラマスの卵から孵化した仔魚は子供達の関心の的です。
子供と親の思い
ある子から撮影している我々に対して、「光あてないでね(ストロボ)」と心配げに声をかけられました。サクラマスに対する溢れる愛に我々も正直びっくりしました。県内の他の小学校でも同じ取り組みを行なっており、仔魚をみてF1とF2(世代)を見分ける大人顔負けの子供達もいるようです。このあと仔魚から稚魚となり、最終的に九頭竜川に戻してあげるようです。当日授業参観に来ていた親御さんからは「娘が家に帰ったら今日のサクラマスはどうだったかを報告をしてきます。このまま順調に育ち最終的には九頭竜川に戻す過程を子供に見せてあげたい」と言っていました。小さくはかない存在のサクラマスですが、その生命は子をとおして、親にも伝わり始めているよです。
さいごに
動物や植物、文化や芸術品に触れ合い、感性や情緒を育てさまざまな表現方法を知ることを情操教育といいます。今回サクラマスの発眼卵からの観察により、多くの子供達が自然とそこに棲む生き物を知り学び、心を豊かにしていると思います。将来この小学生がこの地元の九頭竜サクラマスに誇りを持ち、豊かな九頭竜川の未来のための希望の光になってくれることを我々フィッシュパスも切に祈っています。
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取材協力:中藤小学校・九頭竜川中部漁協・福井県内水面総合センター・サクラマスレストレーション
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