遊漁券とは

2022/04/22
遊漁券の購入はコチラ☝︎

遊漁券(ゆうぎょけん)とは

遊漁券とは、釣り人と魚をつなぐ証明書です。

都府県知事の認可を受けた各河川を管理する漁協(内水面漁業協同組合)が発行する釣り券です。漁協が発行するほとんどの券には、「遊漁承認証」と書かれています。遊漁証鑑札券入漁券遊漁許可証などと様々な呼び方がありますが、一般的に遊漁券つり券と呼ばれることが多いです。河川で釣りを楽しむ場合はこの遊漁券を携行することが必要になります。遊漁券を買わずに、無許可で釣りを行うと密漁になります(*現場監視員からの遊漁券購入に応じない場合、密漁として管轄の警察に通報されます)。

遊漁券収入のおかげで

川はみんなのもの」という考えから、「なぜ川釣りをするのにお金をとるの?」という声があります。しかし川は、漁協による魚の放流産卵場の整備や河川清掃などの漁場管理によって、魚がいる豊かな川と、釣り人が楽しめる場が維持されています。ほんの一部、河川環境づくり推進事業による市町村からの補助金はありますが、各漁協は、運営費のほとんどを遊漁券収入でまかなっています。運営費用の大部分は、放流費漁場管理費です。放流活動に関しては、釣りシーズンに合わせて成魚放流を行っており、また、持続可能な自然環境維持のため、稚魚の放流活動をおこなっています。漁場管理に関しては、釣り人が安全に快適に楽しんでもらうために、ゴミの撤去や草木の伐採、入川道の整備を行っています。

【主な事業】

放流

・魚の放流

増殖育成

・ふ化場、中間育成施設の費用

漁場整備

・魚道、産卵場整備

漁場維持

・投棄物の除撤去

・支障木材等の伐採による漁場の整備

・監視員の費用

会議研修

・理事会運営の費用

・組合員の研修勉強会

情報発信

・遊漁承認証や漁場案内パンフレットの印刷代

・ホームページ制作・維持費用

・新聞等による解禁日の広報

地域貢献

・子供向け釣りイベント費用

・地元の祭り、イベントへの焼き魚の販売出店

内水面漁業とは

「内水面漁業とは、一般に河川、湖沼などの内水面で行われる漁業及び養殖業を指す。内水面は、多様な淡水魚介類を対象とした漁業生産の場であるだけでなく、釣り等の遊漁を始めとするレクリエーションを通じて国民が憩い、自然と触れ合うための貴重な空間と位置付けられている。その一方で、内水面は海面と比べて豊度(一定の水域における資源量)が低く、立地条件等により水産動植物の採捕が容易であることから、資源が減少する可能性が高い。このため、漁業法(昭和 24 年法律第 267 号)に基づき、内水面において漁業権(第5種共同漁業権)の免許を受けた内水面漁業協同組合(以下「内水面漁協」という。)には、資源が枯渇しないよう水産動植物の増殖義務が課せられている。これにより、内水面漁協は、釣り人の遊漁料や組合員から納付される漁業権行使料を用いて、漁業権対象魚種の種苗放流や漁場の管理等を行い、内水面の生態系と生物多様性に配慮しながら、水産資源の維持増大と遊漁を含めた利用の両立を図る役割を担っている。」

引用:石川 武彦「内水面漁協の現状と課題−内水面漁業振興法制定とウナギの資源保護・管理をめぐって ―」立法と調査,NO357,参議院事務局企画調整室編集,2014,

遊漁券の種類(魚種と年券・日券)

種類は、大きく分けて年券1日券になります。それぞれにアユ券雑魚券があり、アユを釣る場合はアユ券渓流魚などを釣る場合は雑魚券を購入することになっています。アユ券ヤマメ・イワナ券雑魚券コイ・フナなどをさす)と設定している漁協もあります。その他にも、県によっては共通遊漁券として、県内の川でどこでも釣りができる券もあります。特に東北の県に多く、県内の漁協が集まって結成した組織である県漁業協同組合連合会(県漁連)が管理しています。県漁連に入っていない漁協が管轄する川では、共通券は対象外になります。漁協によって、魚種(ヤマメ・イワナ)だけで分けて、遊漁券を発行する場合もあり、また同じアユであっても、漁法(友釣りと網)によって券を分けているところもあります。

遊漁券の一般的な価格

アユ券

アユ券の場合、1日券は1,000〜3,000円、年券4,000〜12,000円と幅があり各漁協によって様々です。年券が25,000円の漁協もあります。

雑魚券

雑魚券に関しては、1日券は800〜2,000円、年券4,000〜6,000円で、これも各漁協によります。

共通券

県内共通券は釣りの対象魚種にもよりますが5,000〜18,000円で、これも各県によります。

特別券

中には、子供や高校生以下、女性、障がい者向けの無料半額対応を行っている漁協もあります。

未購入の場合

現場で追加金が発生します。遊漁券を買わずに釣りをすることは違法行為になります。現場監視員が見回っており未購入の場合、本来の遊漁券の金額プラス現場加算金として500〜1,000円支払うことになります。事前購入の1.5倍が相場ですが、追加金額も漁協によって異なります。

遊漁券の有効期間

ちなみに、年券は1年中釣りができるという意味ではなく、アユに関しては解禁日(6月末あたり)から11月30日までが多いです。

アユの解禁日

解禁日は各漁協によってそれぞれ異なりますが、概ね慣例の解禁日になります。近隣の河川との差別化や中間育成施設や仕入れ先の稚魚の育成状況によって、1~2週間前後することもあります。毎年1日や20日など曜日に関係なく解禁日を設定する漁協もありますが、概ね釣り人が集まる土曜日に設定し、日付が前後する場合もあります。

渓流魚の解禁日

ヤマメやアマゴ、イワナなどの渓流魚に関しては、2月1日〜9月30日までの期間が多いです(地域によっては解禁日3月1日、東北は4月1日が多い)。

コイ・フナの期間

雑魚としてでも、コイ、フナなどは、1月1日〜12月31日と1年中に設定されている場合が多いです。

実際の遊漁券(写真)

竹田川漁協の年券(魚種:あゆ・いわな・こい・やまめ・雑魚)

角館漁協の日券(魚種:あゆ)

遊漁券のデジタル化

FISHPASSは、遊漁券を24時間365日いつでもどこでもオンラインで購入できるアプリです。FISHPASSで購入した遊漁券は、漁協監視員にデータ送信されることにより、心置きなく釣りが楽しめます。また、携帯の電波が届かない場所では、自動的に遊漁券証明画面に切り替わる「オフラインモード機能」を搭載しております。(あらかじめPCから購入した遊漁証を印刷して携帯することも可能です。)

さらに、GPS機能を活用した、万が一の事故に備えた安全確認システムや、川のゾーニングによる釣り禁止・C&R区画の通知機能、釣り場情報、川周辺の観光マップ情報、川の増水などを知らせる防災通知情報など沢山の機能を備えています。

遊漁券は地元販売店経由で購入するシステムを採用しています。地元の販売店は、従来での店頭販売と同じ手数料が入る仕組みになっているので、地元がwin-winで取り組める販売モデルになっています。販売店様にとっても遊漁券発券に伴う事務手続きが不要となります。このアプリを通して、釣り人との交流を深め、釣り人目線からの川の情報を得ることで、漁協の活動にも役立てることができます。

遊漁券の購入方法

遊漁券が購入できる場所は、各漁協の遊漁規則によって決められた販売店のみです。漁協の事務所や漁協が提携した販売店(漁協事務所やおとり鮎店、釣具店、個人商店、コンビニ、現場監視員)で購入することができます。販売店一覧は漁協が運営するHPやパンフレットに記載されています。
FISHPASSでは、各販売店経由で24時間365日いつでもオンラインで購入できます。

・漁協事務所(営業時間 漁協に事務員が常駐している場合は平日9~17時、土日に常駐している漁協もあるが、解禁当初のみの場合もある)

・釣具店(各店による)

・個人商店(各店によるが9~17時が多い)

・コンビニ(365日24時間)

・現場監視員(各漁協による)

FISHPASS(365日24時間オンライン)

購入の流れ

紙券の購入

購入する際の手続きは、釣り人が券の種類を選択し、名前住所生年月日を記入します。年券で特に鮎券に関しては、カラーの顔写真(縦4cm横3cm)の添付が必要な場合が多いです。上半身無帽でサングラスなし、最近6ヶ月以内のものとされており、一般的な証明写真が必要になります。当日写真がない場合は、コンビニのカラープリンターを使って免許証を印刷したもので対応する場合や、販売店によってはプリンターを使って印刷してくれるところもあります。記入後、販売員が交付日付と担当者名を記入します。遊漁券はキリトリ線があり、切り取った一部を販売店が保管し、もう一方を釣り人に渡すという形式になります。その後、販売店によっては、防水用の透明ケースがついてくる場合と、ラミネート加工してもらえる場合があります。また購入した漁協のパンフレット(釣りマップ)をもらえる場合があります。

電子遊漁券の購入

FISHPASSアプリをダウンロードし、名前・住所・生年月日など必要項目を入力します。写真が必要な場合は、アプリ内のカメラ機能で簡単に撮影できます。お支払いは、クレジットカード・コンビニ決済・PayPay銀行決済よりお選びいただけます。あとは、釣りをする前にアプリをONにするだけで、購入した遊漁証のデータが漁協監視員に送信されます。また、購入した遊漁証をPCから印刷して携帯することも可能です。

漁協事務所

おとり鮎店

釣具店

地元商店

現場監視員

遊漁券記載内容と注意事項

遊漁券に書かれている内容は、固有名詞(漁協名・川名)や特殊な場合以外は、ほぼ同じ内容です。表面は、期間や漁法、魚種、交付年月日などです。裏面の注意事項に関しては、「必ず持参ください」や「監視員に提示を求められたら遅滞なく提示して下さい」、「 遊漁証は本人以外の者が使用することはできません」、「 遊漁証は紛失しても再交付できないのが原則です」などが記載されています。特殊な記載は、禁漁区域情報や、キャッチ&リリースに関する注意事項などが記載されています。

日券の裏面

漁協発行パンフレット

パンフレット表紙

パンフレット内釣りマップ

提供:日野川漁業協同組合

遊漁券と監視員

釣りをする際は遊漁券を持って、監視員が巡回の際には遊漁券を提示しなければなりません。多くの釣り人は監視員に分かりやすくするために、ベストの背中部分につけます。渓流の奥まで入っていき監視員が確認できない場合を想定して、駐車した車のダッシュボードの上に置いて遊漁券保持を知らせる方もいます。監視員は漁協が派遣した人がなります。外部に委託する漁協もあるようですが、ほぼ漁協組合員が監視巡回を行います。規模の大きな漁協になると「漁場管理委員」という役割を与えられた組合員が担当します。監視巡回する際は、監視員は監視員と書かれたキャップ腕章、もしくは、漁場監視員証を持っています。また、監視員は遊漁券保持の確認だけでなく、各漁協が設定した漁業規則に反した釣りの監視も行っています。例えば、「禁止区域での釣り行為」や「1日当たり採捕制限尾数を越えた行為」、「10cm未満の小型魚採捕禁止に違反する行為」、「3cm以上の針を使用禁止に違反する行為」などです。監視員向けの規則には、「冷静な対処」や「温和な対応」という取り締まり対応規則が設けられています。残念ながら、未購入者とのトラブルが少なからずあるのが現状です。

 

全国の遊漁券いろいろ

遊漁券には、紙質やデザインなど漁協の個性が出ます。それは各漁協が自ら紙質や色、デザインを選定し地元の印刷業者にお願いするからです。サクラマスで有名な九頭竜川(中部漁協)では、冒頭の写真のように金色で特別な趣向を凝らしたものもあります。紙以外のものでも、全国には様々な形態様式の遊漁券があります。腕章であったり、焼印の入った木札、カード、ニット帽のものあります。

足羽川漁協の年間遊漁承認証

白峰漁協の1日遊漁承認証

印字ビニール(米代川水系サクラマス協議会)と腕章(阿仁川漁協)

腕章(提供:嶺北漁協)

七川漁業協同組合の焼印入り木札(提供:和歌山県内水面漁業協同組合連合会)

漆塗り『釣りキチ三平』:矢口高雄先生デザイン(提供:和歌山県内水面漁業協同組合連合会)

大分川漁業協同組合のキャップ帽。毎年キャップの色が変えていたそうです(提供::HONEYSPOT様)

防水ケースいろいろ

特殊な例もありますが、遊漁券のほとんどが紙です。その為、水に濡れて識別できないことを避ける為、発券時に防水用のクリアケースを渡す漁協もあります。

九頭竜川中部漁業協同組合

大聖寺川漁業協同組合

配布がない場合は、自作ラミネート加工する釣り人もいます。

まとめ

遊漁券とは、釣り人と魚と漁協をつなぐ証明書です。

遊漁券によって、魚がいる豊かな川と、釣り人が楽しめる場が維持されています。

未来の日本の川を豊かにするために購入と明るく楽しい釣りをお願いいたします。

フィッシュパスは川を囲んで、釣り人漁協地域社会を結び、豊かさと賑わいを目指します。

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