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遊漁券とは

2017/03/21 FishPass


遊漁券とは

都府県知事の認可を受けた各河川を管理する漁協(内水面漁業協同組合)が発行する券です。漁協が発行するほとんどの券には、「遊漁承認証」と書かれています。鑑札券、入漁券、遊漁証、遊漁許可証などと様々な呼び方がありますが、一般的に遊漁券と呼ばれることが多いです。河川で釣りを楽しむ場合はこの遊漁券を携行することが必要になります。遊漁券を買わずに、無許可で釣りを行うと密漁になります。


遊漁券収入のおかげで

「川はみんなのもの」という考えから、「なぜ川釣りをするのにお金をとるの?」という声があります。しかし川は、地元漁協の放流や漁場管理によって、魚がいる豊かな川と、釣り人が楽しめる場が維持されています。ほんの一部、市町村や河川環境づくり推進事業による補助金はありますが、各漁協は、運営費のほとんどを遊漁券収入でまかなっています。運営費用の大部分は、放流費と漁場管理費です。放流活動に関しては、釣りシーズンに合わせて成魚放流を行っており、また、持続可能な自然環境維持のため、稚魚の放流活動をおこなっています。漁場管理に関しては、釣り人が安全に快適に楽しんでもらうために、ゴミの撤去や草木の伐採、入川道の整備を行っています。

【主な事業】

・放流

・支障木材等の伐採による漁場の整備

・投棄物の除撤去

・魚道、産卵場整備

・監視員の費用

・組合員の研修

・遊漁承認証や漁場案内パンフレットの印刷代

・ホームページ作成費用

・新聞等による解禁日の広報

・子供向けレクリエーション費用

・地元イベントへの出店費

 

「内水面漁業について」

「内水面漁業とは、一般に河川、湖沼などの内水面で行われる漁業及び養殖業を指す。内水面は、多様な淡水魚介類を対象とした漁業生産の場であるだけでなく、釣り等の遊漁を始めとするレクリエーションを通じて国民が憩い、自然と触れ合うための貴重な空間と位置付けられている。その一方で、内水面は海面と比べて豊度(一定の水域における資源量)が低く、立地条件等により水産動植物の採捕が容易であることから、資源が減少する可能性が高い。このため、漁業法(昭和 24 年法律第 267 号)に基づき、内水面において漁業権(第5種共同漁業権)の免許を受けた内水面漁業協同組合(以下「内水面漁協」という。)には、資源が枯渇しないよう水産動植物の増殖義務が課せられている。これにより、内水面漁協は、釣り人の遊漁料や組合員から納付される漁業権行使料を用いて、漁業権対象魚種の種苗放流や漁場の管理等を行い、内水面の生態系と生物多様性に配慮しながら、水産資源の維持増大と遊漁を含めた利用の両立を図る役割を担っている。」

引用:石川 武彦「内水面漁協の現状と課題−内水面漁業振興法制定とウナギの資源保護・管理をめぐって ―」立法と調査,NO357,参議院事務局企画調整室編集,2014,


遊漁券の種類

種類は、大きく分けて年券と1日券になります。それぞれにアユ券や雑魚券があり、アユを釣る場合はアユ券、渓流魚などを釣る場合は雑魚券を購入することになっています。鮎券、ヤマメ・イワナ券、雑魚券(鮎、ヤマメ・イワナを除く)と設定している漁協もあります。ちなみに、年券は1年中釣りができるという意味ではなく、アユに関しては6月末あたりから11月30日までが多いです(各漁協の公示日によります。理由は、土曜日を解禁日に設定する漁協があり、それによって年度ごとに解禁日が変わります)。雑魚に分類されるヤマメやアマゴ、イワナなどの渓流魚に関しては、2月1日〜9月30日までの期間が多いです(地域によっては解禁日3月1日)。同じ雑魚でも、フナや鯉などは、1月1日〜12月31日と1年中に設定されている場合が多いです。漁協によって、魚種(ヤマメ・イワナ)だけで分けて、遊漁券を発行する場合もあり、また同じアユであっても、漁法(友釣りと網)によって券を分けているところもあります。その他にも、県によっては共通遊漁券として、県内の管轄する川どこでも釣りができる券もあります。

遊漁券の価格はアユ券の1日券は1500〜3000円、年券5000〜12000円と幅があり各漁協まちまちです。雑魚券に関しては、1日券は800〜1500円、年券4000〜6000円で、これも各漁協によります。中には、子供や高校生以下、女性、障がい者向けの無料や半額対応を行っている漁協もあります。

【現場追加金】

遊漁券を買わずに釣りをすることは違法行為になります。現場監視員が見回っており未購入の場合、本来の遊漁券の金額プラス現場加算金として500〜1000円支払うことになります。この追加金額も漁協によって異なります。

 

年券

 

日券


遊漁券の入手方法

入手場所は、漁協の事務所や漁協が提携した販売店(釣具店や個人商店、コンビニ)で購入することができます。販売店は漁協が運営するHPに遊漁券取扱店一覧に記載されています。購入する際の手続きは、釣り人が券の種類を選択し、名前・住所・年齢を記入します。年券に関しては、写真(縦4cm横3cm)の添付が必要です。*ちなみに、上半身無帽で、最近6ヶ月以内のものとされています。記入後、販売員が交付日付と担当者名を記入します。遊漁券はキリトリ線があり、切り取った一部を販売店が保管し、もう一方を釣り人に渡すという形式になります。その後、販売店によっては、防水用の透明ケースがついてくる場合と、ラミネート加工してもらえる場合があります。また購入した漁協のパンフレット(釣りマップ)をもらえる場合があります。

 

【遊漁券記載内容】

遊漁券に書かれている内容は、固有名詞(漁協名・川名)や特殊な場合以外は、ほぼ同じ内容です。表面は、期間や漁法、魚種、交付年月日などです。裏面の注意事項に関しては、「必ず持参ください」や「監視員に提示を求められたら遅滞なく提示して下さい」、「 遊漁証は本人以外の者が使用することはできません」、「 遊漁証は紛失しても再交付できないのが原則です」などが記載されています。特殊な記載は、禁漁区域情報や、キャッチ&リリースに関する注意事項などが記載されています。

日券の裏面

漁協発行パンフレット

釣りマップ

 


遊漁券の携帯と監視員

釣りをする際は遊漁券を携行し、監視員が巡回の際には遊漁券を提示しなければなりません。多くの釣り人は監視員に分かりやすくするために、ベストの背中部分につけたりしています。渓流の奥まで入っていき監視員が確認できない場合を想定して、駐車した車のダッシュボードの上に置いて遊漁券保持を知らせる方もいます。監視員は漁協が派遣した人がなります。外部に委託する漁協もあるようですが、ほぼ漁協組合員が監視巡回を行います。規模の大きな漁協になると「漁場管理委員」という役割を与えられた組合員が担当します。監視巡回する際は、監視員は腕章もしくは、漁場監視員証を持っています。また、監視員は遊漁券保持の確認だけでなく、各漁協が設定した漁業規則に反した釣りの監視も行っています。例えば、「禁止区域での釣り行為」や「1日当たり採捕制限尾数を越えた行為」、「10cm未満の小型魚採捕禁止に違反する行為」、「3cm以上の針を使用禁止に違反する行為」などです。監視員向けの規則には、「冷静な対処」や「温和な対応」という取り締まり対応規則が設けられています。残念ながら、未購入者とのトラブルが少なからずあるのが現状です。

 

 

 


遊漁券いろいろ

遊漁券には、紙質やデザインなど漁協の個性が出ます。それは各漁協が自ら紙質や色、デザインを選定し地元の印刷業者にお願いするからです。サクラマスで有名な九頭竜川(中部漁協)では、冒頭の写真のように金色で特別な趣向を凝らしたものもあります。紙以外のものでも、全国には様々な形態様式の遊漁券があります。腕章であったり、焼印の入った木札、カード、ニット帽のものあります。

 

一般的な遊漁券

腕章(提供:嶺北漁協)

七川漁業協同組合の焼印入り木札(提供:和歌山県内水面漁業協同組合連合会)

漆塗り『釣りキチ三平』の作者矢口高雄先生デザイン(提供:和歌山県内水面漁業協同組合連合会)

大分川漁業協同組合のキャップ帽。毎年キャップの色が変えていたそうです(提供::HONEYSPOT様)

 


透明ケース

 

 

 

 

自作ラミネート加工

 


まとめ

遊漁券とは、釣り人と川の守り人である漁協をつなぐ証明書です。

遊漁券によって、魚がいる豊かな川と、釣り人が楽しめる場が維持されています。

未来の日本の川を豊かにするために購入と明るく楽しい釣りをよろしくお願いいたします。


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