初夏の大聖寺川を訪ねて

大聖寺川はフィッシュパス で遊漁券を購入できる(H30.6月現在)石川県南部の流れ。
福井からさほど遠くないというのも、福井県在住の我が身にとってみれば、実はとても魅力的なフィールドである。
去る6月下旬のとある午後。僕は昨年とても好印象だった渓相を見たくて大聖寺川に向け車を走らせた。
釣りを始めることができたのは15時半を少し回ったあたりからだったろうか。
水温を計るのが釣りを開始するにあたってのルーティン。昨冬の影響か、果たして14℃ほどと時期的には低めで申し分なく、水量も岩の感じからみてほんのわずかに増水した名残りを感じた。ちょっと前に雨が降ったのであろうか。
シチュエーションはやはり申し分ない。
渓流釣りの魅力は、渓魚たちの美しさ、そして時としてその釣果にあったりもするが、やはり何をおいてもその環境に身を置いて釣りという遊びを楽しむことができるということに帰結すると、30年余の経験則から僕は確信している。
そういった意味から大聖寺川の渓相は、そのアクセスの容易さもあって或る意味相応しくないと思えるほど良好だと感じている。
美しく涼やかな渓相の中、渓魚たちからの反応は思いのほか薄めだったけれど、いつだって出逢いは唐突なものだ。
時折鈎掛かりしてきてくれる山女魚たちはどれも逞しく、そしてなにより可憐で艶やかだ。
大物は叶わずとも、渓魚の美しさは、それだけで十二分に僕を満たしてくれるのである。
それぞれ個性的な斑紋で楽しませてくれる彼らを愛でるのに理由など不要。出逢った魚たちに敬意を払うのも、釣りを嗜みとする者=Anglerの意気であり粋に通じるのだ。
偶の出逢いを愉しみつつ夕暮れ時まで上流を目指したが、単独釣行なので危険を最大限に避けるためにも、まだ体力も残りつつ足元の水中が目視できるうちに退渓することにした。
帰りは下流域にある山中温泉、山代温泉で釣行後に汗を流すのもまた楽しみのひとつ。
釣りはまた旅でもある。
旅を楽しむのは、即ち釣りを愛することに通ずるものだ。
【タックルデータ】
Rod:5ftスピニング ルアーロッド
Reel:2000番スピニング
Line:PE 0.6号+フロロカーボンリーダー6lb
Lure:4~5cmミノー各種、2~6gスピナー各種、5~7gスプーン各種
Text by EGOIST大嶋
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