【質問者】

京都市：N・Tさん

 これから夏に近づくにつれて、去年の夏に虫に襲われトラウマで戦々恐々としています。顔まわりについて来て離れない虫や、同じ虫かと思ったら、血を吸うとんでもない奴にも遭遇しました。そのあと、あまりの痒さに病院に行きました。一般に売られている虫対策スプレーも使いましたが、効果がイマイチわかりません。長年経験している釣り名人の方々は、どのように虫対策をしているのか、教えて頂きたいです。効果的なアイテム、防御方法、服装など対策を教えてください。

 

EGOIST大嶋信慈　名人

渓流釣りの時に気をつけたいのは、主に飛翔性のある①メマトイ類、②蚊、③蚋（ブユ）、④アブ類、⑤サシバエ類、⑥蜂類があります。特に気をつけるべきは②～⑤の吸血性の虫と⑥の蜂でしょう。他にも、蛾の幼虫などにみられる毒針を持ったものなどもいますが、まず気をつけるべきなのは飛翔性のある①～⑤という前提で、経験則も踏まえてアドバイスさせていただきますが、私なりの対処法も含まれておりますので、あくまで絶対的なものではないことをご理解いただきました上でご参考いただければ幸いです。

市販されている虫よけは、蚊に対して主に効くのものと理解して良いでしょう。しかし、ディートという成分が含まれているものは蚋（ブユ）の忌避効果も期待できます。ただし、法によりディートの含有量はあまり多くはできないことになっておりますので、一度塗布したらたらずっと効果があるわけでもありませんから、汗や水などで流れたと思ったらあらためて塗布するなど注意が必要です。（ディートに関する追加補足説明：ディート含有量は12%だったものが、現在では30%まで可能になりました。詳しくは、厚生労働省HP「ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について」にて）

 

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揮発性のハッカ成分が、蜂以外の虫に対して忌避効果を期待できます。ハッカが含まれる虫よけ剤も市販されていますし、私のようにハッカ油を使用して自作したりも可能です（２つ下の写真参照）。ハッカ成分が含まれる化粧水やローションでも効果があるそうです。欠点は流れ落ちやすいことなので、こまめに塗布することが大事です。スプレー式のものなら衣類の上からも満遍なく塗布できて便利です。④アブ類や⑥蜂類は感覚器官が脚先にあるらしく、ハッカの揮発成分のせいで刺すまで留まっていられないようで、結果的に刺されないということです。また、②メマトイ対策として帽子のつば裏にスプレーすると忌避に効果的です。

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黒っぽい服は特に④アブ類と⑥蜂類が寄りやすいので、白っぽい服装でいることで比較的マシです。

 

これは主に、釣りの最中に目の前を飛んで邪魔なだけでなく目に飛び込んでくるときもある①メマトイ対策です。病気の媒介も懸念される虫ですので、釣り鈎や木の枝などから目を守ることも併せ、サングラス等を掛けられることをおススメします。

以上ですが、もちろんそれぞれどれか単独でということではなく、それぞれを上手く併用して対処することが肝心です。例えば、私の場合は【対策2：ハッカ】と【対策3:白い装束】を併用することにより、8月以降のアブの大量発生時にでも、ブンブン飛び回るアブを気にせず釣りが可能になりました。

⑥蜂（特にスズメバチ類）は薬剤での忌避は効果が薄いので、手で払ったりなどとにかく無暗に刺激しないとか、巣の近くに近づかない（具体的には5m以上距離をとる）ことがとても大事です。ご留意ください。万が一に蚋など毒性の強い虫に刺された時用にPVAという成分が含まれた外用薬を持っておくと良いでしょう。ドラッグストアなどどこでも手に入ります。刺された部位に早めに塗っておけば重篤化は避け得ます。ただし、一応はステロイド剤に属するものですので、皮膚炎など皮膚に何らかの疾患があったり化膿していたりする箇所には使用不可ですから要注意です。また、何か所もさされた場合などは、早めにお医者さんに診てもらうのが一番です。

 

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フィッシュパスは川を囲んで、釣り人と漁協と地域社会を結び、豊かさと賑わいを目指します。