フィッシュパスの漁協探訪#03 和歌山県内水面漁連

目次
Toggle釣り人を増やす仕掛け作り
じわじわと減少する内水面遊漁者人口。その根本的な課題への取り組みは各都道府県で様々です。今回は、和歌山県内水面漁業協同組合連合会(以下、県漁連。)が先進的な取り組みをしているということで、ヒアリングに行ってまいりました。
県漁連は試験場と併設していました。
アユ種苗関連施設
アユ釣り人口を増やすために
和歌山県は全国有数のアユどころですが、調査してみると30歳以下のアユ遊漁者は全体の1%以下だそうです。この傾向は全国でも同様なのではないでしょうか。今後さき細りが推測されるアユ遊漁者を維持するためには若年層の拡大が急務かと思います。そこで、和歌山県では18歳以下は無料の振興施策をスタートしています。将来、釣りに興味を持ってもらうためのタネをまいています。
5年前から7〜8月の期間限定で「30歳以下無料」にも踏み切りました。本人の年齢を証明できる書類と申請書を県漁連に送付することで県漁連から優待証が返送されてくるシステム。利用申請される人は年間230〜300名いるそうで、結構な興味喚起策になっていることと、潜在的に釣りに行きたい人は多いということでしょうか。県漁連傘下の漁協さん(ほぼ全河川)で利用できるので、かなりのお得感!
他にも下記のような施策を行なっています。
わかやま友釣り塾
年度ごとのスクールで、延べ4日で友釣りの基礎が学べます。全国から応募があり、北海道から駆けつける人も!現時点で、4期まで修了していて、約20名/年を排出しています。この塾の先生も有名な方で、講習・実習が終わる時分には、塾生は立派なアユ釣り師に成長!これも遊漁者拡大につながる取り組みですね。
アユ釣り道具レンタル
釣具(アユ竿・引舟・玉網・ベルトの4点セット)を0円でレンタル。という入門者・初心者には嬉しいサービスを展開しています。協力オトリ店で申し込むだけ。県内に協力いただいているオトリ店は20ほどで、合計80本ほど準備しているということです。
台湾のアユ釣り愛好家さんたちを日本へ
和歌山県ではインバウンドを狙った取り組みとして、中国語での情報発信を行っています。台湾では漁協が無いのでアユの放流はしておらず、釣りをするために愛好家グループの有志がアユを放流して、楽しんでいるようです。釣れる時期が違うので、台湾のシーズンが終わると日本に遊びに来てくれるようです。台湾の愛好家さんたちは釣りにかける思いが熱い!ぜひ日本各地のアユ釣りを楽しんで欲しいと思います。そのためにはやっぱり情報発信ですね!
遊漁券に工夫を
和歌山県に釣りに来た特別感を演出するために、プレミアムを感じる工夫を施した遊漁券を発行。全国にここしかないモノがあると行ってみたくなります。いい感じですよねえ。
貴志川のアユ年券
感想
全国の傾向として減少する遊漁者は漁協経営上の課題となっています。近年は情報の取得方法が変化してきて遊漁者に対する適切な情報発信がされていないのが現状だと思います。遊漁者が求めるサービスを適切なメディアに乗せて発信することでミスマッチは減りますし、新たな遊漁者の創出というところにも挑戦しないといけません。取り組まなくてはいけないことは山積していますが、とりあえず一点ずつシュートを決めていくしかないと思います。正直に思うことは、成功事例や先進事例を真似していくこと、短期ではなく経年で少しずつ改善を図ることに尽きるのではないかと思っています。
今回の県漁連への訪問で、一生懸命に知恵を出して、少しずつ出来ることからトライしていることに触れることができて良い刺激になりました。フィッシュパスも釣りに興味を持ってもらえるように情報発信、利便性の向上、漁協さんとの意見交換を加速させていこうと思えました。フィッシュパスは、これからも頑張るざ。
訪問した前後は、台風が近づいて来るとか来ないとかで天候が心配でしたが、ピーカンでした笑。せっかくなんで釣りもしましたよ、以下、釣り情報です。
紀ノ川風景
有田川風景
フィッシュパスは川を囲んで、釣り人と漁協と地域社会を結び、豊かさと賑わいを提供します。
NEW PARTNERSHIP新提携
ご利用いただける河川が増えました!