日野川の想い〜サケよ 必ず戻ってこいよ〜

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Toggleサケの稚魚放流シーン
2020年3月8日 日野川の石田橋上流左岸で、日野川漁協・福井県鯖江市・エコネットさばえによるサケの稚魚放流会が行われました。
なぜ稚魚を放流するのか?
昔の日野川
かつて、サケやサクラマスが日野川で見られました。昭和30年代の日野川は、美しい水環境と生態系あふれる場所でした。しかし、昭和40年代中頃からサケが姿を消します。それは下水設備がない状況での生活排水や工場排水が流入し、日野川の水質汚染が進んできたためです。
このままではいけない
市民で構成される「日野川(支流を含む)を清く美しくする会」が立ち上がりました。環境意識の醸成や下水道の整備、工業用水の規制の強化などが進む事によって、少しずつ昔の美しい日野川を取り戻してきました。自分たちの川がきれいになったかどうか判断するには、何を基準にしたら良いのでしょうか。それがサケなのです。環境指標となり、バロメーターとなる魚がサケなのです。サケが戻ってくる、戻ってきたいと思う川は美しい川なのです。
引用・出典:広報さばえ 平成31年3月号 通常版
また、サケが卵を産むために必要な砂礫(されき)の河川敷も少しずつ戻してきました。
サケが戻るために
川の環境も回復し、いよいよサケが泳ぐ風景を取り戻そうと、平成24年から「サケ稚魚放流事業」が始まりました。日野川にサケがいたことを知らない子供達に、まずはサケのことを知ってもらおうと、卵を渡して孵化するまでの観察してもらい、毎年3月に体長3〜4cmになった状態で、子供たちの手で放流しています。子供たちが大人になった時に、生まれ育った地域の川はサケが遡上してくるほどきれいで美しい川と言えることは誇りや尊厳になります。
日野川にサケが戻ってきた
絶え間ない活動が実り、昨年の令和元年多くのサケが確認できました。
フィッシュパスの3日間のドローン撮影と水中撮影調査で、64尾のサケを確認することができました。
水中とドローン映像
写真グリグリ回してみて見て
↑写真を掴んでグリグリ回してみて見て。
ドローン空撮360°写真 マウス・指でつかんで回して観てみよう。日野川の上流と下流が一望できます。また鯖江市の街並みを見れます。この地域と川にサケが毎年戻って来ます。
放流風景
子供たちが冬の間育て観察したサケの稚魚を、いったん日野川漁協の施設で育成して放流します。
今回放流したサケの稚魚は、日野川から本流九頭竜川を通り三国港で降海し、遠く北太平洋を回遊します。
そして、3〜5年後に親ザケとなって日野川に帰ってきます。サケは母川回帰能力が高く、生まれ育った川の成分を手繰り寄せて戻ってきます。しかし、3〜5年の間に、汚濁やゴミによって川が変われば、サケは戻って来れなくなります。たった1年でも、汚れによってサケの循環が断絶されれば、せっかく戻ってきたサケもまたいなくなってしまいます。これからもフィッシュパスは、日野川漁協・福井県鯖江市・エコネットさばえの活動を含め、日野川のサケの生態を追い続けます。
参考資料
サケ稚魚放流事業 大きくなって帰ってきてね!~自然はみんな つながっている~(広報さばえ 平成31年3月号 通常版)
フィッシュパスは川を囲んで、釣り人と漁協と地域社会を結び、豊かさと賑わいを提供します。
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