フィッシュパスはこの川から始まった〜九頭竜川水系 竹田川〜

2021/02/10

フィッシュパスはこの川から始まった〜九頭竜川水系 竹田川〜

竹田川とは

全国現存12天守の一つ丸岡城がある福井県坂井市から車で15分に竹田地区があります。古き良き日本の原風景が残る里山集落です。

山村を流れる竹田川は、石川県と福井県の境を水源に全長41.9kmあり、九頭竜川と日本海の河口付近で合流します。多くの沢がある竹田川源流はイワナ域であり、一旦川はダム(竜ヶ鼻ダム)に流れこみます。ダムから山村集落、北陸自動車道までの上流域はヤマメと天然遡上したアユの生息域になります。中流域はコイ、フナとなり、下流はシーバスがいます。他にもサクラマス、ウグイ、オイカワ、カワムツ、アブラハヤなどが生きています。

ウグイを追っかけた日々

この山村の出身である筆者が通った竹田小学校では1クラス9人しかいませんでした。上の学年が8人、下の学年は5人で今では廃校(リノベーションして体験型宿泊施設)となっています。遊びといえば山や川遊びでした。春になり学校が終わると皆がバケツと釣り竿、タモを持って公民館に集合し川に向かいました。最初ウグイとカワムツ、アブラハヤを釣っていましたが、次第に難易度の高いヤマメとイワナを求めるようになりました。小学生なりにどうしたらヤマメ、イワナが釣れるのか調べようと思いましたが、学校図書館には釣りのテクニック本はなく、釣具を買うおこづかいの限界がありました。結果全く釣れず、ウグイを追っかける日々に戻りました。中学1年生の時に学校から2km上にダムができました。その頃から部活や勉強に時間を費やすようになり、次第に川から離れていきました。

30年が経ち…

社会人となり、当時から30年経ちました。ふと故郷を思い返す時間を持ち、子供の頃、没頭した川遊びを思い出し、故郷の竹田川で釣りをまた始めました。

そこで愕然としました。昔との変わりようです。山の斜面は崩れ、その土砂が川に流れ込み、川底は浅くなり、かつて多くいた魚が泳いでいた風景はありませんでした。

日本の川に起きていること

この体験をきっかけに、筆者の幼馴染の父親である当時の竹田川漁協の組合長を尋ね、なぜ川が変わってしまったかを聞きました。また並行して福井県立大学の内水面漁業研究を調べました。それにより竹田川だけでなく全国の川が構造的な問題を抱えていることが分かるようになりました。

漁協経営の悩み

福井県立大学の調査と国の研究所によると、渓流釣りについては、ほとんどの釣り人が遊漁券購入の必要性は認識しつつも、遊漁券を「購入しない」「時々購入する」人の割合が3割以上になることが明らかになっています。釣り人は、深夜や早朝から行動している他、実際に現場で、川の状況を見てどの釣り場にするか決める釣り人もいます。一方で、遊漁券は、漁協の事務所のほか、地域の釣具店や商店等が販売店となっているのが一般的です。このように釣り人のニーズと販売店の営業時間が合わないため、中には朝4時に販売店の人を起こして購入する釣り人もいます。

釣り現場で起きているミスマッチ

また地域外の釣り人にとっては、そもそもどこで遊漁券を販売しているのか分からず「買いたくても買えない」ケースがあります。こういう背景もあり、結果的に川釣りを楽しむ人が未購入者(無券者)になっていました。地元の漁協も、遊漁券の事前購入の看板設置による啓発や、見回り、監視対応を行っていました。しかしそれは、足場の悪い川周りでの危険な作業であり、コストがかかるものになっています。

遊漁券アプリの開発

このミスマッチを解消するために、オンラインで遊漁券を販売する仕組みがあれば、漁協の苦境や釣り人の不便を改善できるのではないかと考えました。これがアプリ「フィッシュパス」を開発に至った経緯です。

販売店がWin-Winで取り組めるモデル

遊漁券のアプリ化により、釣り人は24時間どこでも遊漁券を購入できます。最も強調したいことは、フィッシュパスと地元の遊漁券販売店とは、ライバル関係ではないということです。アプリ上では、釣り人は遊漁券を購入する販売店を選択できます。販売店は、店での対面販売以外に、24時間自動的に売上を得れる新たな販売窓口を持つことになりました。また従来と同等の手数料が入る仕組みになっており、地元がWin-Winで取り組めるモデルになっています。

釣り人の協力を得て

まずアプリ開発する前に、地元の釣り人(大嶋信慈さん)の協力のおかげで、全国の釣り人に向けたマーケティング調査を行いました。また他にも多くの釣り人にアプリ開発に多くアドバイスを頂き、第1号として竹田川で遊漁券のアプリ販売を開始しました。また、釣具イベントでフィッシュパスのPRのため、出展させてもらいました。

竹田川復活のきざし

これまで竹田川漁協は毎年8%〜9%の遊漁券収入ダウンの傾向でした。しかしアプリ導入により収入が1.5倍になりました。購入分析をすると、売れている券の9割が1日券であり、購入時間帯も85%が真夜中や朝方に売れました。また、利用者の89%の方が地域外(福井県以外)の方でした。今まで買いたくても買えない釣り人が購入した結果であると考えます。これにより竹田川漁協は十数年ぶりの黒字化となりました。

これからの竹田川と全国の川

竹田川が少し賑わうようになり、竹田川漁協の組合員の意識も変わり始めました。放流量を少しずつ増やし、釣り人が快適に釣りができるように駐車場や昇降口を整備するようになりました。また種の保全のために、増殖事業に取り組むようになり、漁協と釣り人と自然環境の良い循環が生まれ始めました。3年経ちたましたが、まだ過去のような釣り人と魚が賑わう竹田川までには戻っていないです。また、一旦手を止めると川はすぐに荒れ、元の状態に戻ってしまいます。子供の頃の竹田川を戻すため、持続的に環境維持するために、まだまだやることは多くあります。そして全国にも竹田川と同じように悩んでいる川があります。そのために一つ一つ着実に確実にフィッシュパスができることを取り組んでいきます。

オンライン遊漁券

年券:5,000円 全域(龍ヶ鼻ダム湖可能) 
日券:1,500円 全域(龍ヶ鼻ダム湖可能)

遊漁券のオンライン購入はコチラ

竹田川釣りMAP概要

*右が上流、左が下流。

竹田川解説(大嶋信慈さん)

渓流釣り場としては北陸自動車道が横切る辺りからと考えて良く、上流域も含め多くの区間で道路沿いを流れているため車窓から渓相を確認できる場面も多い。

上流にある龍ヶ鼻ダム湖までは比較的なだらかな流れが約8kmほど続きヤマメが狙える。ダム直前の竹田集落内を流れる区間にも魚影はみられ、入退渓もし易いので初心者には適しているであろう。ただし、ダムの放流などには常に注意を払うべきで、サイレンなど合図があれば即座に退渓すべきである。
ダムを超えて約1.8kmほどに巨大な砂防堰堤があり、そこを境に上流はイワナの生息域になる。イワナ域には巨岩相打つ急峻な場所も各所に点在し、その遡行は釣りというより登山の様相なので十二分な装備と注意が必要であり、不慣れならば回避することが賢明である。舗装路はダムから9km足らずのところまでで、そこから上流へは道なき道を徒歩で辿ることになる。

釣り場を通して全体的に標高が低いため盛期は長くはなく、高水温期に入るまでの4月中旬から梅雨入りごろまでと、水温が落ち着きを見せる9月が概ね良い。特に自動車で周れる範囲は、渇水期でもある夏場など高水温により厳しい釣りになりやすいので、日中などは覚悟が必要だ。また、8月に入るころから、産卵期に備えたメジロアブの大発生が約一か月近く続くので、その時期に釣りをするならば相応の対策は必須である。

餌釣はもちろん、ルアー、フライ、テンカラと様々な楽しみ方ができる竹田川であるが、特に枝沢においては広さをほとんど必要としない餌釣に分があるだろう。本流は河原の広狭も様々なので、いろいろな楽しみ方が可能である。
渓相も素晴らしいので、釣るだけでなく景色を愛でながら満喫していだたきたい。

フィッシュパスは川を囲んで、釣り人漁協地域社会を結び、豊かさと賑わいを提供します。

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