-九州最後の秘境に棲む-大崩ヤマメ(宮崎県 祝子川)

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祝子川(ほうり)は、宮崎県北部の延岡市を流れ、水源は岩峰として登山で人気の大崩山(おおくえやま)です。河口付近で五ヶ瀬川に合流し、太平洋に流れます。

大崩山を源とする祝子川は、花崗斑岩(かこうはんがん)が露出している地帯を流れています。悠久の時を経て、この川の流れは花崗斑岩を削りとり、ゴルジュ谷を形成しました。そして、白い岩盤や巨岩が点在する渓谷を包むように原生林が群生しています。この幻想的な自然美により、「九州最後の秘境」と呼ばれています。

祝子川は、数メートルに及ぶ巨石の隙間を縫って流れます。

周りの原生林が透明度の高い水に反射し、エメラルドグリーンに輝く渓相を映し出します。この幻想的な空間の水面下には原種のヤマメが棲息しています。温暖な九州地方にあって、渓流魚釣りができるというだけでなく、「大崩ヤマメ」と言われる原種のヤマメと巡り会える稀有な川です。
大崩(おおくえ)ヤマメ


九州地方では知る人ぞ知る、大崩ヤマメはアングラーにとって憧れの魚となっています。まず、九州地方に生息するヤマメの降海率は低く、九州のヤマメは銀毛(スモルト化)せず、生まれた川に居続ける河川残留型となります。東北、北陸地方のヤマメのように降海し、サクラマスとなって母川回帰することは至極稀と言われています。長年九州地方で渓流釣りをしていても、スモルトを見たことがないというアングラーも多くいます。大型化しても、パーマーク(幼魚紋)が残り、鼻曲がりの個体です。

また祝子川に棲むヤマメは、大崩山の特殊な地形を流れる清流と、原始林の恵みである豊富なエサによって育まれています。そのヤマメは体高があり、ヒレの端が真っ赤な特徴になっています。それが大崩ヤマメと言われるゆえんです。
個体保全と遊漁(ゾーニング管理)

管轄する祝子川漁協は、大崩ヤマメを守っていくためにゾーニング管理を行なっています。主に3つの区域(ゾーン)を設けて、遊漁と自然環境保護を行なっています。

1つは、釣り人に楽しんでもらうためのゾーンとして、成魚放流を行なっている遊漁利用区域。

2つ目は、ヤマメの自然再生のための禁漁ゾーンとして、産卵床造成等による積極的増殖区域。

3つ目に、生物の多様性、生態系の保護のための禁漁ゾーンとして、最源流部の自然系群保存地域です。
幻想的な体験と感動を


本州では決して見る事ができない、初めてみる光景が祝子川にはあります。その幻想的な渓相に立つだけでも、心に残る体験となると思われます。技法と自然との巡り合わせがピタッとあえば、大崩ヤマメに出逢えるかもしれません。

他の川では得ることができない体験と感動を求めに、祝子川にぜひ訪れてみてはいかがですか。
遊漁券情報
やまめ:手釣・竿釣(3月1日から9月30日まで)
年券 5,000円|日券 1,000円
▲オンライン購入はアイコンをクリック

取材後記

今回、福井県から車で、淡路島、愛媛をとおりフェリーで九州宮崎県に入りました。トータル12時間かけて祝子川を訪れました。祝子川へは、取材とは別にして、個人的に一度は行きたいと思っていた理由がありました。その理由は、祝子川が流れる宮崎県延岡市は、筆者である私が生まれ育った福井県丸岡町(フィッシュパス社 所在)と、何十年も前より姉妹都市関係を結んでいました。筆者も小学生の頃、延岡の小学校と交流がありました。

記憶に残るものとして、九頭竜川の産卵期のサクラうぐいの巨大絵画を送った事がありました。図工 の時間に幼馴染と製作に取り組んだことを覚えています。
祝子川に訪問した際に、祝子川の組合長に話したところ、組合長も過去に福井県丸岡町から学生団を受け入れて視察案内したことをおっしゃっていました。お互い、形をかえ巡り会えたご縁に感謝したひと時でした。再度、宮崎県祝子川で秘境とそこでの大崩ヤマメ釣りのために訪れることを約束して、組合事務所を離れました。次回はマンゴーが旬の時期に訪れたいと思います。
情報(HPとFacebook)


祝子川釣り堀

〒889-0101 宮崎県延岡市北川町川内名8307
予約・お問い合わせ:080-3950-9263
過去映像(Youtube)
写真提供と取材協力
中原史貴さん
有限会社 堀川温泉美人の湯 管理人
NPO法人ひむか感動体験ワールド 理事

フィッシュパスは川を囲んで、釣り人と漁協と地域社会を結び、豊かさと賑わいを提供します。



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