竹田Tキャンプ×FISHPASS 【竹田川にまつわるエピソード ③】

2018/10/12

竹田Tキャンプによる、竹田川にまつわるエピソードシリーズ【自然と知恵篇】をご紹介いたします。

人々が荒ぶる川へ向かう理由

執筆:小仲涼(竹田Tキャンプ 京都府立大学文学部日本・中国文学科 二回生)

これはかつて、竹田地区の人々が木材を生活の糧にしていたころのお話です。

昔、山で切り倒した木を人の力だけで運び出すことは、まだ車も機材もなかった当時の人々にとっては大変な仕事で、沢山の人手がかかり、容易には山のふもとにおろすことが出来ませんでした。
そんなある日、竹田は大水(洪水)に見舞われ、川がひどく荒れたことがありました。その様子を見た竹田の人々は、あろうことか荒ぶる竹田川に向かい、山で切り倒した丸太をその濁流に向かって流し始めたそうです。濁流に乗って上流から流されてきた丸太は、下流で待ち構えていた人たちの手によって陸へと引きあげられました。洪水を利用することによって、丸太を山から降ろすことをかなえたそうです。

このように人力だけでは難しい作業を、洪水という災難を逆手にとり、自然の力を利用する知恵を使って、昔の人々は日々の生活や仕事を乗り越えてきたのでしょう。現在では川が増水すると危ないので避難するのが当たり前ですが、荒ぶる川を見て、これは運搬に利用できると考える発想、そして実際に危険を冒して挑戦した昔の人の知恵と行動力には本当に驚かされますね。

現代の私たちも、自然の力を利用する知恵を活かすことができるかもしれません。

例えば、

・豪雪を利用して観光資源として生かす知恵
・川を利用して、魚や生物の資源を育成する知恵
・育んだ自然を地域の子どもたちの学習の場や、地域の人々の憩いの場にする知恵

「災い転じて福となす」という言葉は、人々が自然を大事にする考えや取り組みから派生している様にも思えます。

私たちも自然を守り、昔の人々の知恵に負けないようなチャレンジをしていこうと思う今日この頃です。

製材川

執筆:小仲涼(竹田Tキャンプ 京都府立大学文学部日本・中国文学科 二回生)

竹田には昔、たくさんの製材所がありました。たくさんあるがゆえに、木材を製材していくにはそれ相応の動力が必要だったので、竹田ではそれを補っていくために竹田川に水車を作り、そこで生み出される動力で製材を行なっていました。生み出された動力が主に製材のために使われていたことから、竹田川のことを「製材川」と呼ぶ人もいたそうです。そこで生み出された動力を竹田の多くの製材所が使いっていただけでなく、竹田川から小さな用水路をひき、そこにも水車を設けて精米のための動力を生み出したりと、川の力を地域内で有効活用していました。

地域で使うものを地域で生み出す―。自給自足の理想的な暮らし方ではないかと私は思います。今ではもう昔のように川で洗濯をしたり、お風呂の代わりに川へ入ったりすることはありません。川との付き合い方も時代の流れとともにどんどん変わってきたということでしょう。では現代にあった川との付き合い方とは何なのでしょうか?自然の中で生きている私たちはどうあがいても自然から離れて生活することはできません。自然とうまく付き合っていく方法を模索し続けていくことが私たちにはきっと必要なのです。

 

竹田の暮らしを支え続けてきた、竹田川の様子です。

精米などのためにひかれた用水路です。

 

構成・編集協力:フィッシュパス

次回
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