イギリスの遊漁券〜フィッシュパス世界を釣る〜

2019/02/20

新企画「フィッシュパス世界を釣る」の第2弾です。日本の川釣りは分かるが、海外の事情になると全く分からないという方も多いと思います。そこで、イギリス在住のライター「あきばのあけ」さんから、イギリスの釣り事情から始まり、イギリスの遊漁券(フィッシングパスポート)の購入方法と仕組みまでレポートしてもらいました。

イギリス釣り事情

日本とは違って、イギリス内とくにイングランドの河川の多くは私有地にあたり、また、敷地内に川があっても、そこでの釣りの権利の所有者が敷地の所有者と違うことも多々あるため、なかなか簡単に釣りができません。そのため多くの釣り人は高額な年会費を払って、それぞれのフィッシングクラブに所属しています。そんな中で、イギリスの一部の河川ではより多くの人が気軽に釣りを楽しめるよう、誰でも1日券やシーズン券を購入すればすぐに釣りができる制度を取り入れています。

イギリスの遊漁券(The Fishing Passport)

今回ご紹介するのはThe Fishing Passport(フィシングパスポート)といって、「the Wye & Usk Foundation」という、ワイ川とウスク川の水質および周辺の環境問題に取り組むチャリティ団体が運営する、釣りのチケット販売に特化したオンラインサービスです。ここで取り扱う河川はワイ川とウスク川だけでなく、ウェールズをメインにイギリス中央西部よりの地域を中心とし全長にしてのべ500キロメートルほどの川とさらに数多くの池や貯水池が含まれます。それぞれの川や池の所有者/釣りの権利者から釣りの権利の販売代行業務を行なっているため、フィッシングパスポート自体では川の管理は行なっていません。

フィシングパスポートで扱っている地域の多くはロンドンから距離がありますので、現地宿泊を組み込んだ旅行スケジュールが望ましいです。また、釣りの権利とセットになったコテージなどの宿泊先もあります。フィッシングパスポートでは、小冊子も発行していて、取り扱いのある川や池の情報が記載されています。2019年度の小冊子オンライン版がアップされています。http://wyes.instantmagazine.com/passport/the-fishing-passport-magazine-2019/front-cover

購入方法

出展:https://www.fishingpassport.co.uk*Google Chomeで開くと和訳で閲覧できます。

フィッシングパスポートを利用するには、まず、どこで釣りをしたいかを決める必要があります。イギリスでは、主にブラウントラウトの釣りは大体3月中頃から4月にかけて解禁となり、その後9月終わりから10月ごろに禁漁となります。冬のトラウト禁漁期間、川ではグレイリング釣りができます。ほかにも、サーモン釣りやcoarse fishというそれ以外の魚なども釣りの対象となります。

*赤色がグレイリング釣り(2月いっぱい)で、水色がトラウト釣りを表し、チケットがまだ購入可能である場合「○」が表示されています。

釣る場所、対象魚が決まったら、いつ釣りたいのか、何人なのか(竿は何本か)など、必要な情報を選択し、合計金額を支払うことで釣りができます。ここで扱いのある水域はすべてキャッチアンドリリースで、かつ、釣りが終了したら、必ず釣りの結果をオンラインで登録する必要があります。リンク先はメールにあり、また1日の終わりにリマインダーメールも届きますので、何を何匹釣ったと報告をします。コメントも書き込めます。

確認メール(注文確認書)

*「あきばのあき」さん提供:弊社翻訳

確認メールは届いたら、プリントアウト、あるいは携帯でメールが常に確認できる状態にしておく必要があります。代金はクレジットカード、またはデビットカードで支払いますが、イギリス国外発行のカードでは支払えない可能性がありますのでご注意ください。

 

料金

The Fishing Passportで取り扱うチケットは各釣り場やシーズン、対象魚によって値段が違います。参考までに二箇所の釣り場の料金形態をおしらせします。

1)Lypole川流域の料金表

 

前回記事で紹介した川の料金表です。1日で購入できるチケットは2枚までです。「Block booking」とは「貸切」のことです。トラウトを釣る場合は、£18=2,600円(2019年2月現在のレート)になります。トラウトの料金の違いは季節によって変わります。

2)Doldowlod川流域の料金表

 

1日で購入できるチケットは4枚まで、こちらでは17時以降からのイブニングチケットも販売しています(イギリスは夏時間が始まると、一番長い日で夜は21時近く過ぎても明るい時があります)。1日券は£22.50=3,300円 (2019年2月現在のレート)になります。

ロッドライセンス制度

もう一つ、忘れてはいけないのが、Fishing Rod Licence(ロッドライセンス)です。イギリスにおいて、川や池で釣りをするには13歳以上であれば誰でも、ロッドライセンスを必ず所持していないといけません*1。13歳から16歳のこどもはライセンスは無料ですが、申請する必要があります。ロッドライセンスは、イギリス政府が発行していて、オンライン、電話または郵便局で購入することができます。特に講習などが必要な訳ではないのですが、必ず所持していないと最大で罰金£2,500(約37万5千円)となっています。ライセンスは、有効期限が24時間、8日間、または1年間となり金額は魚の種類にもよります。

ロッドライセンス料金

*£1(イギリスポンド)=144円(2019年2月現在のレート)

*1:海釣りでは不要。また、スコットランドの一部、北アイルランドではルールが違います(https://www.gov.uk/fishing-licences

日券、期間券、年券に始まり、トラウト、雑魚、サケマスの対象魚種、またロッド(竿)の数によって価格が変動します。ちなみにサケマス1日券は£12で、日本円で1,700円ほどです。ちなみに13歳〜16歳までは無料です。

 

ライセンスを購入すると、ライセンス番号を取得しますので(画面上および確認メール内)、その番号を控えるか、確認メールのプリントアウトを所持する必要があります。釣りをしていると、Fishing Bailiffと呼ばれる管理人に、釣りの許可を持っているか確認を受けることがありますので、そういったときに、デイチケット共に見せる必要があります。

なお、1年有効のライセンスを購入すると、上図のような紙製のカードが郵送されます。裏面に、名前とライセンス番号が記載されています。魚の写真は毎年変わります。

参照

the Wye & Usk Foundation:https://www.fishingpassport.co.uk/

イギリス政府デジタルサービス(GOV.UK):https://www.gov.uk/fishing-licences

Casting for Recovery UK&I:https://www.countryside-alliance.org/charity/casting-for-recovery-uk-ireland

次回

第3弾:フィッシュパス世界を釣る(イギリス編)は、「メオン川」です。

ライター紹介

イギリス在住のペンネームあきばのあけさん。Casting for Recovery UK&Iというチャリティ主催のフライフィッシングコースに参加して以来フライフィッシングを始める。現在、イギリスではチョークストリームでの川釣りや、池でのニジマス釣りをする。

ライター募集

日本の川釣りだけでなく、世界の川釣りのライターさん募集しております。また、日本の美しい川の写真も募集しております。

興味のある方は、こちらまで→contact@fishpass.co.jp ご連絡ください。

 

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