【スペシャル企画】京都の女子大生×FISHPASS「初めての釣りへの道のり①」

2019/03/15

「初めての釣りへの道のり①」

執筆:竹田Tキャンプ 京都府立大学 文学部 日本・中国文学科 二回生 小仲涼

企画参加:竹田Tキャンプ 同志社大学 政策学部 一回生 加藤里歩

 

女子大生が、生まれて初めての釣り体験、略して「JDHT」。

ついにその日がやってまいりました、人生初めての、渓流釣り。私たち二人の女子大生が挑戦します!

場所は、自然豊かな渓流で名高い福井県竹田川、春、しだれ桜が咲き誇る所の河辺。天気は曇り、気温は少し低め…。ここで、ちゃんと釣ることができるのかしら?そんな一抹の不安を抱えながらも、初めての釣りに心躍らせる女子大生二人。そんな私たちの体験記、ごゆるりとお付き合いくださいませ~(´▽`)

さてと、ここで、いきなり釣りにこのまま突入したいのですが、その前に、何せ私たちは生まれてこの方、釣りをしたことがありません。そのため、釣りに必要な竿や釣り道具、釣りのルールなど全く知りません。川で釣りをするのに不可欠な「遊漁券」のこともよくわかっていません。そこで今回は実際に釣りをする前に、「漁協」の方にインタビューさせていただき、まずは、遊漁券のことをはじめ、川のことについて色々うかがってきました!

今回インタビューさせていただいたのは、竹田川漁業協同組合の山岸さん。私たちTキャンプは、日ごろから山岸さんには大変お世話になっているので、和やかな雰囲気でインタビューさせていただくことができました(´▽`)

インタビューをお願いした山岸さん

  • 「漁協組合」とはどういう団体なんですか?

山岸さん:漁協とは、ひとことで言うと出資組合です。漁協が管轄するのは、河川と養殖、そして皆さんが良く知っている海を管轄する漁協に分かれています。竹田川漁協は、河川を管轄する内水面漁業協同組合ですが、この様な河川を管轄する漁協は沢山あって(全国で800あるそうです)その漁協が管轄するのは、河川だけでなく湖沼にも内水面漁協があります。それぞれの漁協の上には、都道府県単位で、内水面漁連というものがあります。そして全国組織として、全国内水面漁連(ぜんない)があります。

  • 漁協がないとどうなっちゃうんですか?

山岸さん:今の時点では漁協がなくなると釣り客がいなくなってしまうと思います。

釣りっていうのは遊びで、狩猟とは違うものです。魚捕りには遊びと狩猟の二つがあると僕は思っているのです。狩猟というのは、捕った魚を食べることが目的ですから、その魚を増やすために、狩猟をする人は、稚魚などを養殖して増やそうとする。稚魚の放流や魚が良く育つように産卵場の整備などもそれにあたります。でも、遊びの釣りは、養殖しようとはしません。

漁協が無くなると、河川は悪くなると思います。誰も川を守ろうとしないため、川の水管理や、自然の保護、魚などの資源の育成がされなくなって、川の環境は破壊される。そうして、魚が居ない川の魅力は無くなり、誰も川に近寄らなくなってしまうという悪循環ができてしまう。あと僕の遊び場がなくなっちゃいます(笑)

  • 漁協は具体的にどんな活動をしているんですか?

山岸さん:竹田では大きく分けて放流と河川管理をしています。河川管理には二つあって、川の草刈りとかごみ拾いをするものと、もう一つは漁場の管理です。漁場の管理は、釣り人の遊漁券の管理や、誘客事業といって竹田川で捕れた魚を一番おいしいだろうと思う方法で販売したり、竹田川漁協はどういう活動をしているのかお知らせしたりすることです。だからフィッシュパスの宣伝もしています。あと水質データの収集などもしています。

  • 遊漁券の売り上げ収入はどのように役立てられているんですか?

山岸さん:ほとんどは放流事業、アユ・ヤマメ・イワナの稚魚の放流に使われています。

  • 釣り人に求めることは何ですか?

山岸さん:遊漁券をちゃんと買ってほしいです。今は1/3がフィッシュパスで買われています。フィッシュパスで買うと釣っている間自分の居場所がわかるし、事故があったりしたときに、事故に会った人がどこに居るのかすぐ分かるので、探すのに便利なんです。

あと、自分が使った釣り針やテグスなどは持って帰ってほしい、川に捨てないでほしいです。

  • ダムができたことによって竹田川は何か影響を受けましたか?

山岸さん:特に影響はありません。水は濁りますが、急な増水とかも無くなりました。ただ、淵はなくなってしまいました。困るのは、水が欲しい時期、アユの遡上の時期に少し水が足りないってことぐらいですかね。

  • 竹田川に生息する生き物にはどのようなものがいますか?

山岸さん:イワナ、アジメドジョウ、ヤマメ、ウグイ、ハヤ、アユ、コイ、サケ、アカザ。(オオ)サンショウウオは竹田川がおそらく北限だと思います。あとはモクズガニとかですね。

なるほど…。川に関心を持つ機会がなかった私たちは、釣り人の方なら当たり前だと思っているであろうことも知らず、どの話も大変興味深いものでした。

山岸さん、お忙しい中お時間を割いてインタビューに答えてくださり、ありがとうございました!

 

続いて、今回私たちに釣りを教えてくださる、釣り師の大嶋さんにもインタビューさせていただきました(´▽`)

インタビューに答えていただいた大嶋さん

  • 漁協とはどういう団体なんですか?

大嶋さん:組合員が川での事業のために出資金を出し合った組合のことです。簡単に言うと、株式会社みたいなものですね。本来は事業で得た利益を出資金に応じて分配するはずだけど、ほとんどの漁協はそれが不可能な状態です。経営が苦しいのですが、それは、遊漁券を買わないで釣りをする人が居たりするとかでなど、要因はいろいろあります。漁協は、川の自然を守ったりするのが本来の仕事です。今漁協は高齢化が深刻で、60代でも若いくらいです。跡取りがおらず、このままでは漁協がなくなってしまうかもしれません。

  • 漁協がないとどうなっちゃうんですか?

大嶋さん:釣り人が来なくます。なぜかというと、川に魚がいなくなるからです。現場で管理する人がいなくなってしまうので。今、川を含め日本の自然が成り立っているのは、適度に人の手が加えられているからなのに、これを知っている釣り人は割と少ないんですよね。

  • 漁協は具体的にどんな活動をしているんですか?

大嶋さん:稚魚の放流や魚を育てるための河川管理をしています。それ以外にも川の見回りをして、釣り人が遊漁券をもっているか確認したりもしています。フィッシュパスならGPSで遊漁券を買った人の居場所がわかる*ので、こんな手間はいりません。管理する側も釣り人側も得をする便利なサービスですよね。

*フィッシュパスON状態で川幅両岸+50mの範囲のみ

  • 遊漁券はどのように役立てられているんですか?

大嶋さん:第一に魚の放流です。漁協には種苗育成義務があるので。でも明確にどの位放流すればいいのかと言うのは決められていないんです。釣り人みんなが遊漁券を買ってくれたらいいけど、実際買ってくれているのは多分2/3ぐらいだと思います。遊漁券を売っている店が朝早くは開いていなかったりするし、どこで売ってるか分からない

という事もあります。そして、遊漁券を買わなければならないことを知っている人が、買わないで釣りをしている事は、大変残念なことです。そんな人が増えてしまうと、川を今のまま保っていくのがどんどん厳しくなってしまうんです…。魚はどんどん減っていきますからね。

  • ダムができたことによって竹田川は何か影響を受けましたか

大嶋さん:ダムから水が一気に流れ出すと、ダムの水には酸素があまり含まれていないため、魚が水中で酸欠状態になってしまったりするし、ダムの水は水温が低いので、一気に冷たい水にさらされると、魚が風邪をひいたみたいな状態になってしまいます。魚にとって0.1℃の違いは人間にとっての1℃の違いと同じようなものなんです。

また、河川の連続性がなくなってしまいます。ダムがあることで海から山奥が分断され、産卵のために遡上してきた魚が山上まで登ることができず、産卵できない可能性も出てきてしまいます。そうなると、自然に魚が増えていくことが不可能となり、放流などの増殖事業をしないと増えなくなってしまうんです。治水など、ダムがあることは悪いことばかりではないので、メリットとデメリットを考えて適切な答えを導いていくことが大切だと思います。

大嶋さんの釣りに対する愛は大変大きく、お話を聞いている間にも釣りや魚への愛をひしひしと感じることができました。そんな大嶋さんから見た現在の漁協の姿、今後の川への不安など、たくさんのことを聞けたのは、今後釣りをしていくうえでとても大きな影響を受けることになると思います。

大嶋さん、ありがとうございました!

 

お二人のお話を聞いて、もっとたくさんの人に漁協の活動や遊漁券の存在を知ってもらうことの必要性を感じました。私たちが遊漁券のことを知らなかったように、釣りにあまり馴染みのない方の中には、遊漁券という言葉すら聞いたことのない方もいらっしゃると思います。どんなことでも知ることなしには解決の糸口を探ることもできません。

まずは知ること。きちんとした知識を持つこと。

それがこれからの川や、そこに暮らす生き物たちのためになることなのだと思いました。

お二人からとても有意義なお話を聞けたため、私たちが実際に釣りをしたお話は次回に持ち越そうかと思います。

それでは次回、私たちがようやく釣りをします!果たして釣ることはできたのか!?お楽しみに!

次回
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