サクラマス関係者・施設を訪問しました【サクラマス釣り奮闘記】

2018/03/24

サクラマスを釣るという企画にあたり、まったくの素人の私が、まずはサクラマスを知るために、九頭竜川サクラマスに関わる方々を訪問しました。

九頭竜川中部漁協組合

まずは九頭竜川中部漁協です。九頭竜川には河口から上流部まで4つの漁協があります。その一番河口に近くでサクラマスが遡上している地域を管轄しているのが九頭竜川中部漁協です。この漁協の管轄する区域では、2月にはサクラマスやヤマメ、6月中旬には天然アユを求めて全国から多くの釣り人が訪れます。

サクラマス釣り師匠の紹介を依頼

今回の訪問の重要な目的として、川釣りどころかサクラマス釣りを初めてする私に、釣りを師事してくれるサクラマスアングラーを紹介して頂けるようお願いに上がりました。九頭竜川中部漁協組合の理事や事務局の方も快く引き受けて頂きました。後日連絡していただけれるようです。

サクラマス昔話

また長年、九頭竜川中部漁協に携わってきた理事の話では、「昔は、九頭竜川に入ったら、サクラマスがたくさんいたんだよー、川に入っていたら、足にガーンと当たって通り抜ける」、「水中眼鏡もない時代、休みに近所の友達と潜って、サクラマスを観察していた」といった体験談を聞きました。ちなみに、これらの昔話を小学校ですると、子供たちが真似をするのでやめてくださいと学校の先生に叱られたそうです。しかし、九頭竜川の恵みをこれからも大切にしたいとの想いとともに、地域の方々や子供たちにも、この恵みを体感してほしいという気持ちは変わらないとのことです。今は昔と違い、遡上してくるサクラマスは多くなく、その保護と育成に様々な取り組みを地道に懸命に行っていることを聞いて、改めて川の自然と保護育成の活動を行っている漁協の活動を知ることができました。

私の人生初の遊漁券購入です。期間(漁期)によって、釣りが許可される区間が決まっていることも初めて知りました。

福井県内水面総合センター

今回のワーキングホリデー期間で、この場所を抜いては語れません。今後何度も通うことになる福井県水産試験場内水面総合センターです。内水面とは、川のこと(外水面は海)です。このセンターは、県の施設で、川の資源を多岐にわたって合理的利用、養殖技術の開発、漁場環境などの試験研究・調査に取り組む機関のことです。以前は水産試験場とも呼ばれていました。

センター内訪問

このセンターに事務局を置く、福井県内水面漁業協同組合連合会 参事の安達さんから、福井県の内水面漁業組合に関する様々な取り組みを聞きました。また「都会目線からの九頭竜川の魅力を言葉にしてほしい」と要請され、「事故だけは気をつけてね」と川での釣りの安全確保の大切さのアドバイスを頂きました。気を引き締めて参ります!

また同センターの中島さんには、施設の概要や九頭竜川の生き物の生態を教えていただきました。中島さんからは、自らの飼育や研究をとおしてこの福井の川の環境を良くしていきたい、という想いが伝わってきました。

衝撃だったことがあります。ヤマメが海に出て、大きくなってサクラマスになることを、この時知りました。ヤマメとサクラマスが同じ魚だったとは…。それも知らずに、九頭竜川中部漁協さんに訪問していたとは…。しかし、私と同じ様に知らない方がいると思いますので、今回知ったサクラマスについて私なりにまとめてみました。

サクラマスとは

ヤマメは川の上流の渓流で孵化し、そこで成長します。食べ物は、水生昆虫など主に上流から流れてくるもの、海と違って多くの食べ物があるわけではありません。そこでは、食べ物をめぐって、し烈な仲間同士の競争が始まります。競争では、勝つものも負けるものもいるというのが常です。負けたヤマメの子は、体も小さく、いつもお腹を空かしている。このままでは、生き延びることはできないヤマメはその場から新天地を求めて川を下ります。そのヤマメが海に出て、その海で約1年間過ごします。豊富なプランクトンや小魚などを食べて大きくなり、体長50cm以上になり、産卵のために2月〜4月ごろから、また生まれ育った川に戻ってきます。サクラの咲く頃に遡上してくることから、そのヤマメをサクラマスと呼んでいるようです。

福井県水産課

福井県水産課に訪問させていただきました。鉾碕さん、手賀さん、宮田さんにお時間を頂きました。福井県のサクラマスに関する取り組みや転換期など、分かりやすく時系列で説明して頂き、また県としてのサクラマス資源増殖の取り組みについて説明いただきました。県水産課は漁協組合や環境保全団体と連携して環境・資源を守るとともに、多くの遊漁者も納得できる形で、多面的にサクラマスを守っていきたいとのことです。

鳴鹿大堰

鳴鹿大堰(なるかおおぜき)です。ちなみに、この堰は鳴鹿の”鹿”をイメージして、スピード感とたくましさを表現しているそうです(国土交通省近畿地方整備局ホームページより)。

福井県には、坂井平野とよばれる広大な穀倉地帯、坂井丘陵地帯というこれも広大な畑作地帯が広がっています。鳴鹿大堰は、九頭竜川をせき止めて、その川の水を農業用水として利用するための堰です。現地に立って初めて分かりましたが、なかなかの迫力です。

堰で川の流れを止めてしまうと、産卵のため上ってきたサクラマスは遡上できなくなります。遡上阻害を少しでも軽減するために鳴鹿大堰には魚道を設けて、サクラマスが少しでも遡上できるようにしてあります。

鳴鹿大堰から上流を撮った写真です。一番左が九頭竜川本流、カーブを描いて分岐しているのが呼び水水路、中央の段々になっているところが魚道、右が永平寺川となっています。

サクラマスが遡上するために

これは九頭竜川の下流方向を撮った写真です。この写真には4つの流れがあります。左上永平寺川右手大堰の放水主ゲートです。ここで重要なことは中央の2つの流れです。中央左が「魚道(人工河川式・階段式)」です。飛沫が激しい中央右が「呼び水水路」です。サクラマスが遡上するためには、この2の水流・水量の関係が重要らしいです。中央右の「呼び水水路」の水流が早く水量が多すぎると、サクラマスは流れの速い方に引き寄せられ、折角の魚道中央左)の方に、なかなかサクラマスが上がらないようです。これまでは、何百ものサクラマスが大堰の際に溜まっていたようです。そこで、近年サクラマスが遡上しやすいようにの水流水量のバランスを調整したようです。そうすることによって、中央左魚道を通ってサクラマス遡上しはじめたようです。またサクラマスだけでなく、他の多くの魚種もドンドン登っていくようになったようです。現在のどの魚種にまで適応しているか目下調査中とのことです。

永平寺町役場

永平寺町役場を訪問しました。永平寺町観光物産協会の林さん、商工観光課の髙島さんとお話ししました。永平寺町は日本だけでなく全世界でブームを呼んでいる禅の発祥地です。「永平寺町にとって、大本山永平寺が飛びぬけて知名度が高い…。大本山永平寺以外の資源を発信していかないと…」とおっしゃっていました。そのため、現在永平寺町ブランドとして『SHOJIN~気づきに出会う禅のまち~』を町をあげてアピールしています。

町のPRのために若者・都会目線で永平寺を再発掘できないかと検討していた中で、今回の訪問でフィッシュパスの「サクラマス釣り」という企画を知り、非常に興味を持って頂きました。

えい坊館

えい坊館(永平寺町魅力発信交流施設)では、清流九頭竜川に育まれた米や酒、地域の物産といった食文化など、「禅と食と酒の魅力味わい」を伝える施設です。訪問時に対応してくださった観光物産協会古山さんの『この町の魅力の発信はもちろん、町民の方にも愛される施設でありたい』とのコメントが印象的でした。この土地にしかない奥深い文化や伝統に触れることができました。

九頭竜川の魅力ゾーン

九頭竜川の魅力を展示したゾーンです。

見た瞬間これは”アート”と思いました。羽や毛の色、柄も多種多様で、毛ばりの美しさに見惚れてしましました。

九頭竜天然鮎茶屋さぎり屋

ランチは永平寺町にある九頭竜天然鮎茶屋さぎり屋さんで、鮎甘露煮そばをいただきました。ちなみに先ほど永平寺町役場で知った永平寺ブランド『SHOJIN』に認定された商品を開発したお店です。

九頭竜川はサクラマスだけでなく、鮎も有名です。そばは福井県産のそば粉をつかった本格的な手打ちそばです。そのそばと、甘辛くじっくり時間をかけた鮎の甘露煮が絶妙の組み合わせでした。さぎり屋さんは、シーズン中はたくさんの釣り人の情報交換や交流の場となるそうです。

サクラマスの聖地は1日にしてならず

今回、中部漁協さんや総合センター、県水産課、役場、食事処など、サクラマス関わる方々に様々な視点でお話を頂きました。みなさんに共通していることは、九頭竜川サクラマスを愛しており、サクラマスの為に地域全体が日々絶え間ない努力をされていることです。「サクラマスの聖地は1日にしてならず」という言葉がふと浮かびました。

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次回は「サクラマス釣り具 購入編」です。

 

前回は「フィッシュパスで働きます

フィッシュパスは川を囲んで、釣り人漁協地域社会を結び、豊かさと賑わいを目指します。

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