キーツ岩田のA trip around the river 高知県四万十川(四万十川上流淡水漁協) ~奔走の末辿り着いた、アメゴたちの楽園~

2022/07/06

釣行レポート

高知県、四万十川。その名は釣り人でなくとも、一度は耳にしたことがあるでしょう。「日本最後の清流」とも評される大河は、全長196kmにも及ぶ四国最長の河川です。その軌跡も特徴的で、上空からはアルファベットのN字にも見えるこの川に、自然の神秘を感じずにはいられません。
今回はGWを利用し、四万十川上流淡水漁協管轄エリアへ、アメゴ(アマゴ)に会いに訪れました。「四万十川のアメゴ」この響きだけで高鳴る鼓動。但し、リミットは5日間。情報ゼロからの開拓となりましたが、その結末や、如何に。

釣行初日

川の状態は悪くなく、前々日の雨で程よい濁りと増水が見られました。これをチャンスと捉え、この日はなるべく下流で一発大物を狙うことに。

下流域においても、このような流速の速い瀬が存在しています。
最初の反応は、この日二箇所目の瀬から。斜め下流にルアーを投げ、流心に絡ませつつ動きを与えていると、下から食い上げる様なアタリ!しかし、手前まで寄せたもののバラしてしまいます。20cm後半クラスの体高のある個体でしたが、気持ちを切り替え、黙々と別の瀬を打っていきます。
次のポイントに移動し準備していると、現地の少年が声を掛けてきました。「釣れました?」「いいサイズバラしたよ」「僕、今年の初アメゴが32cmでしたよ」やはり大型も確実に潜んでいるようです。同時に、こちらではアマゴをアメゴと呼ぶんだなと、遠い地へ来ているのを実感。その後も瀬を中心に攻めますが、結局この日は魚に触れることはできませんでした。

二日目

この日も初日と同様に下流域の瀬を片っ端から攻めますが、またしてもバラシの連続、歯車が合いません。これ程バラすのは一体何年ぶりか?と思えるほどでした。結局二日目も魚に触ることは叶わず、時間だけが過ぎていきます。

三日目

この日は気分を変え、支流を探ることに。すると、一本目の支流ですぐに魚の反応がありました。

小柄ですが、人生初の四万十川水系アメゴ。噂通り、パーマークが本州のアマゴより大きいです。
この一匹から、「支流が正解か?」と判断し、この日は時間のある限り支流を攻めました。しかし、結局数、サイズ共に思うように伸びず。気づけばもう折り返し地点。時間が着実に無くなる中、選択が迫られます。

四日目

この日はまず、まだ入っていない支流を攻めることに。その支流へ向かう途中、本流に目配せしていると、僕の第六感が遂に目覚めました。「この区間、雰囲気あるな」支流へは向かわず、その場で車を停め、スタンバイ。入渓してすぐの、人工物で形成された水深のあるエグレ。そこへ下流側からルアーを投げると、ギラン!と光った瞬間にアタリ。

予想通り、良い魚が着いていました。体高があり、目にまで朱点のあるおしゃれな個体。ルアーはロンジンのスピッツ45S。やっと本流らしい魚に出逢えました。まだ出るか?と同じポイントを攻めると、2匹がルアーを追尾。片方がヒット。

先ほどの個体とツーショット。「遂に当たり区間を見つけた」直感は確信へと変わりました。その後も瀬という瀬に魚が着いており、ルアーを投げる度に追尾が見られます。

このような、一見、本当に魚が着いているのか?と思えるような浅い瀬や払い出しからも、湧いたようにアメゴ達が飛び出してきます。

釣った魚すべての写真を撮るなど、到底無理な程に釣れ続けました。
そしてこの日の最終局面、岩盤で形成された瀬の開き。下流側から瀬の開きに対し真っ直ぐルアーを投げると、この日一番のアタリ。

今遠征最大サイズ、29cmの泣き尺アメゴ。ルアーはロンジンのスピッツ45S。背中に川鵜か何かに襲われた痕がある、生命力を感じる個体。口を使ってくれた事に、只々感謝。この日はここまでで終了。良い流れを作りつつ、明日に備えます。

五日目

そして最終日。地図とにらめっこし、ここしかない、という区間に全てを懸けます。

瀬の開きの下流側から、斜め上流方向にルアーを投げ、流れに馴染ませるように小刻みに竿先をしゃくります。すると、ギラン!という反射光とともに確信したその重み。
なかなか諦めてくれず、20m程並走した後、やっとランディング。

サイズは32cm、正真正銘の四万十川本流尺アメゴ。ルアーはロンジンのスピッツ45FS。

衝撃の最後

最後の最後に、ドラマは待っていました。情報が全く無い中、しかも遠征最後のポイントでというのも乗じて、久々に魚を釣って手が震えました。

そして、本当のクライマックスはその後に待っていました。

これは良い写真を撮らねば、と撮影に集中していると、背後からいきなり何かにどつかれた!?直後は全く訳が分かりませんでしたが、カランコロンという音とともに状況を把握しました。トンビが魚を奪おうとして、間違えてランディングネットだけかっ拐って行ったのです(上の写真は、ネットを奪われた後に撮ったものです)。
「良いネットだったのに、やられた」とも思いましたが、どちらかというと、「こんな体験、そうそう無いな」と清々しい自分がいました。
情報ゼロからの四万十川開拓は、思わぬ形で幕を閉じました。

いくら四万十川と言えど、サイズを求めればそう甘くはありません。しかし、この豊かな水量を誇る大河を歩き倒した者には必ず、心を揺さぶるドラマが待ち受けていることでしょう。

遊漁券の購入

四万十川上流淡水漁協の遊漁券は、漁協HPに掲載されている店舗様にてご購入いただけます。
http://www.shimantogawa-joryu.com/
今回は、マルナカ釣具四万十店様にて購入させて頂きました。

ライター紹介

アングラー:キーツ 岩田 
秋田県出身、福井県在住。小学校6年生の頃にルアーフィッシングと出会う。それ以降、主に淡水に潜むフィッシュ・イーターを求め日本中を駆け回る。
ロンジンLONGIN-ルアーブランド「ロンジン」公式サイトのフィールドテスター、冒険用品冒険用品「冒険用品」 (jetslow4wear.com)のアンバサダーも務める。
Facebookページ
https://m.facebook.com/keats.iwata

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