サクラマスの育成体験【サクラマス釣り奮闘記⑤】
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サクラマスの育成体験
はじめに
本日は雨だったので、九頭竜川でのサクラマス釣りはお休みです。
その代わりに、サクラマスストレーションの安田さんのご好意で、福井県内水面総合センター内で飼育しているサクラマスの稚魚の育成体験をさせて頂きました。
*センター内のサクラマス水槽内の写真(極力光を遮った展示設計になっています。ストロボ撮影禁止です。)
安田さんは福井県内水面総合センターの依頼により、センター施設でサクラマスの稚魚の研究飼育をされています。
サクラマスの生態についてよく知らない私に、館内施設の展示物を使ってレクチャーしてくださいました。九頭竜川は全長116kmあり、その最上部まで広範囲を行動するサクラマスは九頭竜川の指標種であるという切り口で、分かりやすく教えてくださいました。
サクラマス稚魚育成現場
サクラマスをもっと知るために、サクラマス赤ちゃんの育成体験をさせていただきました。ここでは、DNA別(F1・F2)や成長段階別に7槽の水槽に分けて飼育しています。光と音に敏感なサクラマスの水槽にむやみに近づけないため、安田さんの隣でこっそり観察しました。
サクラマス稚魚水槽の清掃と水換え
丁寧に丁寧にひとつずつ、水槽を掃除します。ここでいくつか注目したいことは、スポンジが水槽ごとに違うことです。万が一病気が出たときに、他の水槽に移らないようにするためです。器具等も、使った後には消毒していきます。私が想像していた、「バシャバシャ、ゴシゴシこすってこすってキレイに!」のような清掃ではありません。
すべての作業工程が繊細で、それらが「サクラマスのため」に繋がります
サクラマス稚魚の餌やり
*特別に写真を撮らせていただきました。
エサをあげる担当をしました。エサは特別に配合したもので主に魚粉です。時間ごとに決まった分量をサジですくい、満遍なく水面に優しく落とします。イメージとは違い、エサを入れた直後、池の鯉みたいにパクパクきません。
エサを入れた後、そっと離れて端からジーッと見ていると、そのうち水面に波紋が広がり出しました。
「おー、食べてる!」
自分が近くにいると、警戒して食べてくれません。非常に警戒心が強く敏感な子供達です。この子供達は4月5月にある程度の大きさになったら、九頭竜川に放流され、そのうち何匹かが海にわたりサクラマスとなってまた返ってきます。
最後に
稚魚育成体験をしていく中で、安田さんの言葉が心に残りました。
「日本の川を守るために、養殖をしつつ天然の魚をどう守っていくかが大切。天然の魚を守っていかないと日本の内水面に未来はない。サクラマスはとても敏感な魚、そして、九頭竜川の広範囲にわたり行動する魚。だから、サクラマスが住みやすい環境を作ることができれば、他の生き物にとっても良い環境になるはず。」
飼育中だったので小さな声でしたが、安田さんのとても強い思いが感じられました。
サクラマスにとってより良い環境を作ることが、他の種にとっても持続可能で生態系豊かな河川環境をつくるのだと理解しました。
安田さんはサクラマスの稚魚育成だけでなく、親魚採取、産卵、人口産卵場の造成、産卵調査など、一貫して九頭竜川サクラマスの生態保全に関わっています。
今日の安田さんとの体験により、九頭竜川中部漁協と他漁協、県水産課、保護団体、釣り人の団体や釣具店さんなど、九頭竜川に関わるあらゆる人たちの想いと絶え間ない活動によって、この九頭竜川にこのサクラマスがあるのだと感じました。
ですので、そんな人たちの特別な想いが詰まったサクラマスに巡り会いたいという気持ちが一層強まりました。
次回
次回は サクラマス釣り〜再挑戦ルアー編~【サクラマス釣り奮闘記⑥】です。
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