キーツ岩田のA trip around the river 秋田県雄物川水系サクラマス釣行(仙北中央漁協) ~知見を駆使し手にした、玉川の70(ナナマル)~

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4月下旬、藤の花が咲き始める頃。私はGWの遠征釣行の準備を着々と進めていました。
一昨年と同様、今年は秋田県の実家に帰省するついでに、雄物川水系の河川でサクラマスを狙うことを計画していたからです。
一昨年のGWの釣行では、雄物川本流でなんとか1本のサクラマスをキャッチする事ができました。一方で、玉川ではヒットが有ったもののキャッチには至らず、歯がゆい思いをしました。
そこで今回は、リベンジを果たすべく玉川で1本獲る事を目標とし、フィールドを駆け回ることにしました。
今回も心揺さぶるドラマは待っているでしょうか。
遠征初日。まずは現地に到着後すぐに、仙北中央漁協管区のサクラマス釣り遊漁券を購入しました。

一昨年は上州屋大曲店様に伺い遊漁券を購入しましたが、昨年に上州屋大曲店は閉店。代わりに神宮寺にある小林時計店様にて遊漁券(年券)を購入しました。 遊漁券を購入後、早速玉川のサクラマス釣りの有名ポイントへ向かいました。

エントリーしたのは、通称「べこ小屋」と呼ばれるポイント。
瀬の開きから暫くは、右岸側に流心が寄り、これに沿ってテトラポッド帯が続きます。
部分的にテトラポッド帯が突き出た部分が数か所あり、いかにもサクラマスが着きそうなポイントです。
左岸側の瀬の開き近辺から川へ入り、釣り開始。一昨年サクラマスをキャッチしたシンキングミノーを用い、ドリフト(流れを利用し、ルアーを漂わせる)の釣りを中心に探っていきます。
驚いたのは釣り人の多さ。まだGWの序盤だというのに、自分が釣りをしている最中に、対岸のテトラポッド帯に釣り人が入れ替わり立ち代わりで様子を見に来ました。それだけ、釣り人を惹きつける魅力が玉川にはあるのでしょう。
そのまま釣り下り、中州を渡った更に下流にある分流の合流点も丹念に攻めましたが、この日はスモルト化したヤマメ(海に下ってサクラマスとなる予備軍)が釣れたのみで本命からの反応は無し。肩慣らしのみで終了となりました。
翌日。この日の朝一は昨日入ったべこ小屋より下流に位置する、勝田橋の下流の瀬にエントリーしました。

この瀬も開きから暫くは右岸側に流心が寄った形で、テトラポッド帯や部分的にポケット(窪み形状)が形成されていたりと、サクラマスが好みそうなポイントです。
流れが緩くなる辺りまで、シンキングミノーやスプーンを用いてドリフトの釣りで攻めますが、本命からの反応はありません。
「あそこへ行ってみるか」
次に選んだのは、一昨年大型を掛けたが、一方的にラインを引きずり出されバラシてしまったポイント。
犀川殖産でのレインボートラウトや、九頭竜川水系のサクラマス釣り等で幾度となく魚を掛けている、瀬の頭にかけての駆け上がり(瀬の直前の払い出し)です。経験上、この地形には嫌でも魚が着きます。しかも大抵サイズが良い。
恐らく今年も魚は着いているはず、そう信じエントリー。ルアーも一昨年バラシた際に使用していた、ロンジン社のランブルビート(フローティングタイプのシャッドプラグ)を選択。
メソッドもほぼ一昨年と同様で、まずは対岸へ真っ直ぐルアーを投げ、U字効果(一昨年の記事参照)を狙いたい位置の少し上流まで流します。その後、目標の位置まで流したらルアーを潜らせ、リーリングはほぼせず一定間隔でトゥイッチングを入れていきます。
U字の頂点が丁度瀬の頭の直上に来るように、かつ毎投、頂点の位置を川幅方向に少しずつずらしながら探ります。
すると数投目、U字の頂点で「コンッ」という硬めの感触のバイト。
ヒット直後は暴れることもなくただ重いだけ。その後、ファーストランで多少の抵抗はありますが、ラインはリールからほとんど引き出されません。
「ニゴイか??」
過去に同じポイントでニゴイを掛けていることもあり、疑心暗鬼になる私。しかし、セカンドランでは控えめながらも力強くラインを引きずり出していき、止まりません。
「鱒だ…!」
そう直感しましたが、今度はフッキング(ハリの掛かり具合)の状態が気になります。
掛けたのは瀬の直上であり、瀬を下られるのは絶対に避けたい。しかし、フッキングが浅い可能性もあり、無理はできません。慎重にファイトを続けます。
その後も暫く無理せず耐えていると、今度は定位置で完全に動かなくなりました。上流に寄せようとしても微動だにしません。正に、動かざること岩の如し。
それならばと、ラインのテンションを保ちつつ自ら下流に下り、距離を詰めます。犀川殖産では大型とのファイトで何度も使った戦法です。
余りに動かないので、障害物にでも引っ掛かったのか?と思い、なるべく刺激を与えないよう、ロッドのバットパワーを活かしじわじわロッドを立てると、少しずつ寄ってきます。
これはひょっとして、かなりの大型か…?
すぐに手前まで寄せたい気持ちが先走りますが、やはり最後に抵抗を見せる鱒。それに耐え、遂に魚体が視界に現れました。とんでもないサイズに驚愕する私。デカすぎて、サイズ感覚が狂ったような気分でした。玉川の水色のせいでブルーメタリックに見えるその神々しい姿は、今でも脳裏に焼き付いて離れません。
フッキングの方は、ルアーを完全に横から咥えた状態で、ハリが2本掛かっているのを確認。多少強引に寄せてもハリは外れないと判断し、ロッドのパワーでじわじわと手元に寄せます。
デカすぎて頭部からのランディングでは分が悪いと判断し、鱒をギリギリまで上流に導き、尾びれから掬い、遂にネットイン。

数年前、故郷でサクラマスを掬うために入手した、内寸58cmの大型のランディングネット。
その枠を軽々と超えるモンスターサイズのサクラマスを、長い攻防の末手にすることができました。サイズはジャスト70cm。


口の形状からしてメスですが、それを忘れさせるかのようなシャープな頭部と鋭い目つき、そして何種類もの色が絡み合い生み出される、深みのあるシルバー。あらゆるサケ科魚類の中で、この顔が一番好きです。今回はそれに加え、モンスターサイズの貫禄が加わります。感無量です。

必ず見入ってしまう、こめかみのデザイン。大理石のような奥行きのある茶褐色に、銀河のような複雑な模様が重なる。自然が造り上げた芸術作品です。

さすがに玉川まで遡って来た(海からは60km以上の距離がある)個体なので、脂肪はそれなりに落ちています。それでも、自分の手が小さく見えるサイズ感。

遡上鱒特有の、尾びれの銀粉化粧。サイズが大きいと、その造形もより鮮明に確認できます。いつ見ても美しい。
結局この後2日間、玉川と雄物川を駆けずり回り、ひたすら竿を振り続けましたが、これ以降は本命からの反応は得られず遠征は終了となりました。
そこはやはりサクラマス釣り。簡単に複数本釣らせてもらえるほど甘くはありませんでした。
今回、幸運にも釣行2日目で、そうそうお目にかかる事のできないモンスターサイズのサクラマスに出会うことが叶いました。
またそのプロセスでは、今までの本流トラウトフィッシングで培った経験と技術を存分に活かすことができました。
一方で、一昨年魚の反応が有ったポイント以外では、全く本命からのコンタクトを得られなかったのも事実です。
来年は、今まで魚を掛けたことが無い玉川・雄物川のポイントで鱒を手にすることを目標とし、またこの地に戻ってきたいと思います。
ライター自己紹介
アングラー:キーツ 岩田
秋田県出身、愛知県在住。小学校6年生の頃にルアーフィッシングと出会う。それ以降、主に淡水に潜むフィッシュ・イーターを求め日本中を駆け回る。
ロンジンLONGIN-ルアーブランド「ロンジン」公式サイト、Avail Avail|Fishing Tools“Avail”オンラインショップ
フィールドテスター、冒険用品冒険用品「冒険用品」 (jetslow4wear.com)のアンバサダーも務める。
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